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教養・基礎科学系

教養・基礎科学系概要

人間として
自立できる力を養う教養科目

豊かな教養、人類の身体・文化・社会、自然に関する知識を修得し、倫理観を高める科目群です。国際的視点から必要な情報を収集・分析する科目もあり、自らの考えを説明できる能力を身につけます。

グローバルな視点から
世界を考える思考力を養成する
国際コミュニケーション科目

グローバル社会で活躍できるように、多様な考えを受け入れ、相互に理解する能力を養成する科目群です。英語に加えて初習外国語や日本語、留学生には専用の日本語科目もあります。

工学を学ぶための
基礎体力となる基盤科目

数学、物理学、化学を中心に、専門知識のベースとなる知識・思考・実技を学ぶ科目群です。また、情報リテラシーを身につけ、急速に発展する高度情報化社会に対応できる能力を養います。

高度な専門分野に適応できる
能力の素地づくりとなる横断科目

専門教育科目との融合、経営管理能力やモノづくりを企てる素地づくりのための科目群です。複数の学科を横断するチームで課題に取り組み、解決策を考え抜く力を養います。

教養科目の紹介

多面的なものの見方が工学分野における創造性を発揮する力になります

教養教育のねらいは、人間の多様な価値を認める力を養い、総合的な視野で多面的なものの見方ができる能力を身につけることにあります。高度に情報化し、複雑化した現代社会では、手に入れた情報を吟味し批評的に考える力が必要です。そのために多面的なものの見方が必要になるのです。

教養科目では、ある特定の学問のみにとらわれることのない、自由で主体的な知的探求の意義に目覚めていくことが必要です。単に幅広いだけの知識の修得をすすめるものでもなく、全体像を、より的確に把握していくための視点を持つことが大切です。

教養教育がめざしているものは、自己と自己を取り巻く世界と、そこに展開するすべての知的活動へ目を向け、それを改めて問い直してみる姿勢を培うことなのです。それが、工学分野での創造性を発揮する土台になります。

教養科目が扱う内容は、大まかに科学、人間学、社会科学、健康科学と学問領域に応じて分類されます。また、学問領域を超えた総合的な科目も設置されています。

科学に関する科目:科学基礎論

今日、科学は高度化する一方、それに伴い細分化も進んでおり、自分の専門分野以外のことは分かりにくくなっています。しかし、将来社会に出ると、様々な学問的バックグラウンドを持った人たちと交流する必要があります。その際、自分の専門分野ではないから分からないという態度は通用しません。「科学基礎論」では、歴史的な観点から科学がどのように誕生し発展してきたのかを考察したり、哲学的な観点から現代科学の基礎を深く探ることによって、科学の様々な問題をつとめて学際的に考えていきます。目標は、科学を大局的な視点から捉えられるようになることです。そして、自分が学ぶ専門分野とそれ以外の分野との関わりを大局的な観点から理解した上で、身につけた技術がどのように他分野と関連しているかを意識するようになることを目指します。

人間学に関する科目:芸術と文学・歴史学・心理学・比較文化論

自分の生き方を探り、自己を確立し、社会における自己の役割を認識し、人生をより良く生きるためのきっかけを得ることを目指した科目です。近年ますます国際化が浸透し、インターネットを通じてあらゆる情報の入手が可能になってきました。その結果、価値観が急速に変化し、個人の、あるいは集団や国家の間の競争が激化しています。こうした不確実で厳しい現代社会を生き抜くためには、自己を見失うことなく、他者と対等な立場で競合・共存する強靭な精神力が必要です。その精神力を育てるために、この科目群では人間そのものについて体系的に学びます。人間の本性や心理についての理論、人間が犯した過ちと成功の軌跡、人間が構築した社会の歪みと進化の記録、人間の創造活動などを幅広く知ることで、複眼的視野と問題解決への発想力を獲得することができます。

社会に関する科目:社会学・政治経済論・法学・国際関係論

グローバル化の進む現代社会において、私たちには国際的視野に立ち、必要な情報を幅広く収集・分析して活用する能力が求められています。とくに知識基盤社会の一員である技術者には、そのようなニーズに加えて、多種多様な言語・文化圏からなる国際社会を熟知しながら、あらゆる地域・分野の人びとと円滑に交流を図っていかなければなりません。そのためにも私たちは国内事情はもちろんのこと、国際事情についても精通している必要性があります。これらの科目では、政治・経済といった社会科学の諸分野から、国内外の社会的システムを多角的に理解し、グローバル化社会における人間の営みを幅広く学んでいくことを目的としています。

健康科学に関する科目:体育

我が国は世界一の長寿国といわれるものの、すべての人が健康で充実した時を過ごしているわけではなく、運動不足や不適切な食事による“生活習慣病”の増加が大きな問題となっています。これを予防するためには、若い頃から適度な運動を習慣づけ、食生活を改善し、身体と心の健康を維持する方法を身につけておく必要があります。1年生対象の必修実技科目「体育」は、自分自身の身体とその動きを知ることを通じて、ヒトの身体についての理解を深めます。そして、正しい知識に基づいた正しい運動習慣を身につけ、健康で活力に満ちた生活を送ることができる力を養うことを目標としています。また、スポーツを通した仲間とのコミュニケーションの深まりを体験しながら、動きの改善や身体能力の向上を通じて、自己の身体の管理能力や操作技能を習得します。

総合的な科目:教養探求・総合科目

学問領域に応じて分類される科目の他に、学問の専門領域を超えて、考える能力を養うための科目も設置されています。それが、「教養探求」と「総合科目」という科目です。「教養探求」は、実社会の明確な答えがない問いに対し、分野横断的な視野で課題を捉え、様々な知識やスキルを活用して解決策を探求する科目です。例えば、文系と理系双方の教員やゲストスピーカーの講義、ならびに文献情報から知識を習得し、それらを関連付けながら、チームで独自の解決策を導き出します。その過程で、読解力や分析力に加え、批判的思考力や問題発見力、コミュニケーション力を実際に活用する中で身につけます。「総合科目」は、取り上げられたテーマについて横断的に学び、さまざまな学問の体系のなかで、どのように位置づけられているかを俯瞰的にとらえる科目です。知識を統合する思考力が求められ、教養の実践力をあらためて認識する重要な役割を持っています。

国際コミュニケーション科目の紹介

工学を志す者にとって、コミュニケーションとしての英語を身に着けることは必須のスキルといえます。英語系科目は、すべての学生が各々の英語能力と興味に合った英語力を獲得することを目指します。その上で、グローバルな視点から世界を考える国際感覚と思考力を養成します。1年次には「英語I」、「英語II」の授業が週2回あり、英語能力を伸ばすために不可欠な文法・語彙や・音声の理解・表現の基礎を、重点的に学びます。1年次の学習内容を踏まえつつ、2年次は学生各々の興味のある分野で、さらに英語力と国際感覚の基盤を固めます。2年次の「イングリッシュスキルA」、「イングリッシュスキルB」では、“コミュニカティブ英語力”、“TOEICなどの実用英語検定に対応する英語力”、そして、“読む・聞く・話す・書くをバランスよく学ぶ総合的英語力”を伸ばす授業の中から選択し、受講します。さらに英語力と国際感覚を磨きたい学生は2年次以降、選択科目「イングリッシュスキルC」、「イングリッシュスキルD」の受講が可能です。これらの科目では、“コミュニケーション力”、“実用英語検定に対応する英語力”、そして“エンジニアに必要な工業系の英語力”などを伸ばします。英語以外の選択科目には、言語を学ぶことを通じて視野を広げるための科目や、言語を学ぶことを通じて課題発見能力・思考力・批評力を鍛える科目が用意されています。「初習外国語」は、英語以外の外国語の基礎を学び、簡単なコミュニケーションが出来るようになることを目指します。言葉の学習を通じて、異文化に対する知識や理解を深めながら、幅広い視野と思考能力を養います。「日本語表現法」は、大学生に必要な日本語を使った論理能力を養います。大学での学びには主体性が必要です。自ら学ぶためには、批評的に思考する力が必要になります。批評的な思考力を鍛えながら、自分の考えを具体的にまとめて説得的に表現する方法を身につけ、発信力を高めます。「日本の言葉」は、留学生だけが履修出来る科目です。日本語運用能力をいっそう磨くとともに、大学で使うレベルの日本語を確認・理解し、大学の教育課程におけるスムーズな知識修得の土台を作ります。

基盤科目の紹介

工学のバックボーンとなる科学を理解して、工学を学ぶための基礎体力を養う

工学は、自然科学の成果を応用して構築、体系化された学問です。工学を志す者が工学の現状を理解し、さらに新しい分野を切り開いていくために、工学の背景となっている諸科学を基盤科目の学習を通して深く理解し、幅広い基礎的能力を養うことがきわめて大切です。また、グローバル社会に対応した工学を身につけるための語学力も必要になります。

このような科目を、工学を学ぶ前提として「基盤科目」と呼び、体系化しています。基盤科目では、将来的にどのような工学系の分野に就いても対応できる基礎的な知識を獲得するとともに、生涯を通じて学び続けるための基礎的な能力を養うことを目的としています。

基盤科目は、自然科学・英語・情報に関する基礎知識を学ぶ「共通科目」と、その後の専門的な学びに活かすための「連携科目」で構成されています。

基盤科目は、大学での学びに必要なだけでなく、工学上の問題にアプローチする際、基本原理に立ち返って考察したり、新たに創造的な方向を模索したりするプロセスに必要な能力を身につける科目です。

数学系科目について

数学は、工学を学ぶ上で必要不可欠であり非常に便利な道具です。現象を数式で表すことにより、その本質を物質間の関係性として捉えることができ、さらに数学的な方法を利用して解析すれば、その工学的構造を理解することができます。数学系の科目は、数学を道具として使うために必要な基礎知識を体系的に習得できるように、配置されています。1年次には、数学全般の基礎となる「微分積分学I」・「微分積分学II」や「線形代数学」を設置しています。いずれの科目も、数学的に厳密な論証を述べることに偏らず、実際的な計算技術を体得させながら直観的な理解と納得が得られることを目標に、工学的応用を含め幅広く講義を行います。

物理系科目について

物理学は、自然界の諸現象を学んでその中に法則性を見出し、基本的法則の相互作用を認知して体系化していく学問で、すべての自然科学の基礎となっています。さらに物理学は、工学、特に先端技術の根幹をなす学問であり、工学を志す者にとって、物理学の基礎を学ぶことは必須の事柄となっています。1年次には、物理学の中でも特に工学の基礎として重視される力学と電磁気学の基礎を理解するための「物理学I」・「物理学Ⅱ」が設けられています。全体を通して物理学の基礎を体系的に学ぶことができるように配置されています。

化学・生物系科目について

これからの技術者にとっては、数学系科目や物理系科目のみならず、物質や環境に関連した工学の基礎となる化学系科目の知識を身につけておくことは重要になります。1年次には、物質の成り立ちとその性質及び物質の変化を理解するための基礎として、「化学」・「応用化学」が設けられています。いずれも各学科専門分野へのアプローチができるように設計されています。

実技系科目について

これからの自然科学各分野は学際性が必要であり、学問領域も複雑に絡み合っていくため、各分野の知識や技術を身につけておくことが必要となります。物理学、化学、生物学の基本的な実験を行うことにより、自然法則の概念を理解するばかりでなく、自然現象の解明に必要な観察力・洞察力を養い、自ら実験を計画する場合に不可欠な基本的技法を修得します。また実験装置の取り扱い方や測定の仕方を学び、データの取り方と整理の仕方、誤差の処理方法及びレポートの作成方法など、実験に必要な基本事項も学んでいきます。さらに、これらの実験から工学への知識の連携について学びます。

科学系科目について

科学系科目は、数学、物理、化学の有機的なつながりを理解し、工学の多様な分野の学びへスムーズに移行するための確かな基礎力を養うことを目的とします。「基礎科学演習」では、基礎的な計算力を着実に身につけ、物理や化学において数学が具体的にどのように活用されているかを学びます。「物理数学演習」では、現実的な物理現象のモデル化を通じて実践的な数学手法を学び、工学的応用も見据えた問題や自然現象を解析する能力を身につけます。「計算科学基礎」では、数式や自然現象を記述する方程式を数値的に解くために使用される基本的な数値解析アルゴリズムとプログラミング技術を学びながら、数値解析手法の基礎力を身につけます。

情報系科目について

急速に発展する高度情報化社会において情報を活用する能力、すなわち“情報リテラシー“を身につけることは、以前にも増して求められています。特に工学系の学生にとっては、情報リテラシーは”コンピュータリテラシー”の育成と同時に学修することが必須の事柄となっています。情報系科目は、初年次からコンピュータを活用した総合的な情報リテラシーを身につけることを目的に設置されています。1年次の必修科目では、情報とコンピュータに関する知識と活用スキルの基礎力を身につけます。1年次で学習する情報リテラシーの修得は、工学系技術者としての基礎だけでなく、大学生活を送るうえでも必要不可欠となっています。

横断科目の紹介

横断科目では、“ものづくり科学”の基幹となる工学基礎、先端工学、環境学などに関連する知識をSTEAM的に修得し、積極的に使いこなせる技術を実践的に身につけ、知識基盤社会の一員として技術の進歩に貢献できる技術者を育成することを目指しています。「生産工学とSDGs」では、9学科の個性を横断的に発揮した問題発見と、各学科のMid-techを融合的に活用しながら考え抜く問題解決によって、意味のあるものづくり・新たな価値の創造の体験を通して、プロジェクトマネジメントに必要な“コミュニケーションスキル”、“管理スキル”、“ビジネススキル”、“問題解決スキル”の向上を目指します。「エンジニアリングスキル」では、実社会でみられるであろう容易に答えることが難しい複数のテーマを設定し、選択したテーマにおいて、複数学科にまたがる学生と教員がチームとして共同作業を行うことで一定の解決を見出すことを目指します。「工学基盤演習」では、CADや3Dプリンターを活用した製品改良の過程において、自身のアイデアを取り入れ最適化を図る体験から自主的な“学び”を引き出すとともに問題解決に必要な基礎技術の修得を目指します。これらの科目は相互に関連付けられており、ユニットプログラムとして学修することで“意味のあるものづくり”に必要な能力を習得できるように設計されています。

教養基盤科目の授業担当者および研究テーマ一覧

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