GRADUATE SCHOOL

大学院の特長

産業界の第一線で求められる人材へ
より広く、深く学ぶための3つの特長

グローバルに活躍する人材、事業継承者、企業家、ロボット技術のエキスパート、イノベーションを生み出すエンジニアなど、ひとつ上の技術者を目指します。

学会などで発表

学会参加と論文発表を通じて自らを高める

大学院生としての学びは、学内での研究活動にとどまりません。むしろその知識と経験は、国内外の学会に参加し、論文発表を行うことによってこそ、高められるものです。生産工学研究所が毎年開催する「学術講演会」では、大学院生も教員などに交って積極的に発表しており、その発表で表彰を受ける学生もいます。また、国内外で開催される国際会議に参加し、研究成果の報告を行う学生も少なくありません。

生産工学特別実習

リアルな現場を体験し、実践的でグローバルな能力を磨く

生産工学研究科では、企業・官公庁・公的機関と提携した「生産工学特別実習」を開講しています。その目的は、国内外でのインターンシップを通して、自ら研究・開発などを計画・遂行する能力を身につけることにあります。さらに、グローバルに対応できる人材の育成に取り組むため、中國科技大學での実習にも参加。この他、国際会議における研究成果発表会に積極的に取り組んだり、短期海外派遣なども行っています。

横断型プログラム

視野を広げ目標に挑む、課題解決を養う

「横断型プログラム」の特長は、複数の学科・系の先生方が横断してユニットを作り、研究開発を進めるところにあります。先生方の研究の種を組立て・ターゲットを定め・成果に結びつけることを目標にしています。学生も学部3年からユニットに参加できます。令和4年度から新設された進学システムで、大学院でもユニットの研究を続けたいときは、学部で所属していた学科とは異なる専攻の先生の研究室でも研究が続けられ、修士や博士の学位を取得できます。学科を横断して多方面からのアプローチでイノベーションを起こす現場を実体験できます。すでに多くのユニットが立ち上がっています。

大学院での研究と身につく力

学部で身につけた力をより深め、広い視野から研究活動を行う場として大学院があります。
博士前期課程ではさらに専門的な知識を修得、博士後期課程では研究者としての自立を目指します。

機械工学専攻 
染宮聖人さんの研究

染宮 聖人さん

所属研究室/平山研究室

機械工学専攻

目指す研究者像

周りには高い志と情熱を持った研究者の先輩方がいます。そうした方々をお手本に、数値解析の学びをより深化させ、世の中に役立つ研究成果4年間を生み出したいです。

大学 学士課程(4年間)

平山研究室に所属
先進複合材料に関する専門知識やCAE 解析の知識を身につけることができました。CAE解析の理論、実践的な知識を修得するために大学院へ。
専門知識と、わかりやすく伝える力が鍛えられた
学部では、有限要素法(解析モデルを細かい要素に分割し、熱や荷重などを与えたときの状態をシミュレーションする方法)利用して、繊維強化プラスチック(FRP)の真の界面接着強度を推定する研究を行っていました。
身についた力

有限要素法はほとんどのメーカーが製品開発で使用するので、工学エンジニアとして必要不可欠な知識であると思い、世界有数の企業が使用するソフトで有限要素法解析を行っている平山研究室を選択しました。高い精度を持つシミュレーションやFRPの成形を通して、複合材料に関する高い専門性を修得できました。また、研究室では自分の意見をわかりやすく端的に伝えることが求められるので、プレゼンテーション力に自信が持てるようになりました。

大学院 博士前期課程(2年間)

研究
FRPの座屈強度最大化問題に対する最適化手法を研究しました。有限要素法の理論的な専門知識も養われました。
実験
先進複合材料の特性を調査。引張試験や曲げ、圧縮試験などを繰り返し行い、得られた結果から考察します。
解析
世界有数の解析ツールを大学院生と学部生がいつでも使用できる環境で、CAE解析の実用的な知識を修得します。
学会発表
研究成果は学会で発表しました。学会には、他大学の先生や企業の方も参加され広い視野から意見をいただけます。 客観的な視点が得られたことで、論文の精度が高まりました。
外部との共同研究を通してコミュニケーション力を磨く
CAE解析(コンピュータを利用したシミュレーション解析)の理論、実践的な知識を修得するために大学院へ進学しました。博士前期程では、FRP製の圧縮コイルばねや5Gアンテナ用支持柱の研究開発、FRPの粘弾性特性に関する研究、 新しいFRPであるFRTP(繊維強化熱可塑性プラスチック)の成形・物性評価など、幅広く研究しました。
身についた力

大学院に進学して良かったのは、学部生や他大学の教員、繊維メーカーや化学メーカーといった企業の方々との協働があり、そうした中で研究を円滑に進めるためのコミュニケーション力が磨かれたこと。研究室の同期ともお互いに切せっさたくま磋琢磨しながら研究に取り組める環境にありました。また、研究を進める中で、物事をひとつの角度からだけではなく、多方面から捉えて本質を理解するようにもなれました。理論的な専門知識はもちろんですが、研究は学部4年生と行うので、後輩の安全を守るために事前に整理整頓や清掃などの安全対策を実施する行動力も身につきました。

大学院 博士後期課程(3年間)

研究
さらに高度な技術を身につけ、研究者として活躍することを目指し、博士後期課程へ。FRPの座屈強度を最大化するための最適構造設計を行う研究を進めています。学部生や他大学の先生、大手メーカーの方々と共同研究を実施。多方面から物事を考え、本質を見極める力に磨きがかかりました。
解析結果が妥当であるか判断する力、プロセスを考え準備する計画力が培われた
将来は研究者になりたい。そのためには、より高度な技術や知見を得る必要があると考え、大学院博士後期課程に進学しました。この1年間は、博士前期課程での学びをさらに深化させる研究に取り組んでいます。現在は、FRTPの母材に使用されている熱可塑性樹脂の非線形材料挙動に関する研究を行っています。負荷速度や温度条件を変化させた場合でも、熱可塑性樹脂の非線形材料挙動を解析で再現できるような材料定数を算出しています。
身についた力

頭の中でシンプルなモデルで検証して解析結果が妥当であるか判断する力や、課題の解決に向け、プロセスを明らかにして準備する計画力が培われました。FRTPは二次加工性やリサイクル性に優れ、自動車をはじめとするさまざまな工業製品への適用が期待されています。これからの2年間は、自分の研究成果が世の中で活用され役立つよう、さらに研究を深めたいと思います。ゆくゆくは、尊敬する先生方のように高い志と情熱を持った研究者を目指しています。

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