GRADUATE SCHOOL

院生からのメッセージ

私たちが生産工学研究科を選んだ理由

技術者として幅広いバックボーンを持ちたかった

鶴見 智成:電気電子工学専攻 博士前期課程修了
三菱電機株式会社
電気電子工学科から電気電子工学専攻


鶴見 智成

エンジンやバッテリーがなければ自動車も鉄の塊。そういう視点で周りを見渡すと、電気電子の世界は限りなく広い。もっと電気について知りたいと考え電気電子工学科に入学しました。専門知識をより深く学びたいという想いが強かったこと、また、社会人になる上で専門性のある幅広いバックボーンを持ちたかったため進学の道を選びました。その選択は間違っていませんでしたね。

大学院では学会活動を通じて、他大学の先生方や学生などとも意見を交わし、視野を広げたり、人脈を作るチャンスを得ました。生産工学特別演習の授業では異なる専攻の学生とともに、ひとつのプロジェクトに取り組むなど、会社に入ったときに役立つプロジェクト管理能力を身に付けることもできました。

大学院ではティーチング・アシスタント(TA)とアルバイトの収入があり、古田奨学金を受けていました。古田奨学金は学びの成果が評価される制度なので、勉強の励みになり、家族の負担を減らしながら学べます。また、ティーチング・アシスタントとして学部生の教育指導に関する補助を行うことで、指導を受ける立場から指導する立場へ。学部3年生のときに三菱電機のインターンシップに参加した縁で、三菱電機へ入社。今後は大学院での学びを活かして技術者として成長していきたいです。

研究の楽しさ、人との出会いが研究者としての自分の糧に

井上 大成:マネジメント工学専攻 博士前期課程修了
博士後期課程進学
マネジメント工学科からマネジメント工学専攻


井上 大成

就職か進学かは人生における大きな選択ですが、研究が楽しかったこと、それが大学院に進学した一番の決め手です。もちろん研究では思うような結果が出ず壁にぶつかることも多くありますが、先生や研究室のメンバーとの議論から解決の糸口が見えることもあり、問題を乗り越える度に自身の成長を実感しています。

所属する吉田研究室では、情報工学を社会のために役立てる方法について研究が行われています。情報工学の分野は幅広いので、メンバーとのやり取りの中で自分の専門以外の考えや価値観にも触れ、自分にわからない技術に対してはなぜそうなるのかを議論するなど、毎日刺激を受けています。相手にわかりやすく伝えるプレゼン力や、自分が持っている知識を相手の専門分野でどう活かせるか考える力も鍛えられました。生産工学特別実習では、台湾の大学で2週間のインターンシップを経験。社会や文化が違えば求められる技術も違うという発見は新鮮でした。今後研究者として歩んでいくうえで、こうしたすべての経験が大きな力になると思います。

現在は情報工学と人間工学を用いて人の特性を数値化し、教育等の分野で自己改善や指導のサポートにつなげることができないか研究しています。この研究をさらに深めるために、博士後期課程への進学も決めました。実際に研究を社会で応用できれば、教育機関はもちろん企業における人材育成等にも活用できます。そんなふうに自分の研究が実社会で使われる日が来ることを考えるとわくわくして、研究へのさらなる意欲につながっています。

仕事と学業を両立させながら研究者としてのキャリアの基盤を築く

河野 亮:機械工学専攻 博士後期課程修了
三菱重工業株式会社


河野 亮

加工シミュレーションを極めたい
地元名古屋の大学を卒業後、同大学の大学院修士課程に進学。その後、就職して、現在は三菱重工業で航空機部品製造工程の加工シミュレーション業務を担当しています。航空機の部品をつくる際には、金型に密着させて成形していきますが、金型にぴったりの形でできるのではなく、そこからはねあがる現象が起きます。

これをシミュレーションにより予測し、設計図面通りに部品をつくれるようにするのが加工シミュレーション。コンピュータを使って正確に形を予測することで、精度の高いものづくりができ、安全性の観点からも壊れにくい部品をつくることができます。比較的新しい技術のため、シミュレーション結果と実現象が合わないこともあり、悩んでいました。より高い精度で予測できるようになりたい。大学院進学を決意したのはそんな想いからでした。

とことん研究に向き合えることが楽しい
日本大学には加工シミュレーションの分野で実績のある高橋先生がいらっしゃったことから日本大学大学院生産工学研究科を選びました。仕事ではどうしても決められた時間の中で成果を出すことが求められ、とことん研究に向き合うということは難しい。博士後期課程の3年間は仕事をしながら研究にも取り組む。そんな二束のわらじをはく生活でしたが、大変というよりは自分のしたい研究ができて楽しいという想いの方が大きかったですね。

大学院に進学し、会社ではできない理論的な検討や基礎的な実験を行うことにより、加工シミュレーションの結果を実現象に近づけることができるようになりました。現在は社内の多くの人が加工シミュレーションの技術を使ってものづくりをするようになっており、会社全体にとっても、有益な研究ができたと思います。

人脈形成をはじめ研究者として多くの財産を得た
入学時に高橋先生から研究者として人脈を形成していくことも大事だとアドバイスをいただいていました。実際、国際学会や国内学会の発表を通じて加工シミュレーション分野で著名な教授をはじめ、多くの方と知り合う機会を得ることができ、大きな財産となりましたね。

また、会社では海外の方と仕事をする場面も多々ありますが、特に、海外では、仕事上の重要な人物にコンタクトを取って業務を進めていけるなど、博士号があることは大きな違いとなって現れてきます。仕事と学業を両立できるのかという不安も正直ありましたが、大学院でしっかり学びたいという想いに周りは応えてくれます。

また、仕事をしながら大学院で学ぶというのは覚悟が必要ですが、私の周りを見渡してもそういった方は探究心のある方が多く、それだけ仕事でも成果を上げていらっしゃる。努力したらした分だけ仕事、人生も大きく変わっていく。大学院に進学することで可能性は大きく広がっていくと思います。