経営資源を有効に活用するための理論と技法を習得し、
企業経営などの分野に役立てます

マネジメント工学は、工学の基礎的な知識と、経営と管理についての様々な理論・技法を融合させる上で、経営そのものや経営を取り巻く様々な環境についての分析と予測を行い、的確な方法を決定し適用することで、経営や生産の効率の向上を図る学問です。
ものづくりにあたっては、人間性を尊重しつつ、品質・信頼性を高め、より安いコストで、タイムリーに製品やサービスを提供することが、マネジメント工学の使命となります。いわゆる“ハードな技術学”とは性格の異なる、“ソフトな技術学”なのです。
いま日本の産業界は、工学と経営・管理の両面から、直面する問題に柔軟に対応するマネジメント工学という学問に負いながら発展を続けているといっても、過言ではありません。特に近年、マネジメント工学のニーズは大きく広がり、情報システムの開発と運用を含めた経営の中心を担う新しい技術として、生産はもちろん販売・流通、情報サービスなど多くの分野で活用されています。
したがって、将来の進路は多様で幅広い分野にわたっています。産業の発展と同時に、より豊かな生活と環境を求める新時代の要請に応えることのできる産業人を育成する学科として、注目されています。
学びのポイント:マネジメント工学のここが面白い
経営者や大手企業の管理職、スペシャリストを多く輩出
マネジメントとはヒト・モノ・カネ・流通・情報といった資産や資源を有効に活用し管理する手法。マネジメント工学とは、その理論や技法に工学の基礎的な知識を融合させたものです。企業経営を中心に、生産現場、販売・流通、サービス、情報通信など多くの分野で活用されています。
文理融合の学びで、将来を選択できる
マネジメント工学は、理系の学問に加えて文系知識も活かせる文理融合型の学び。その理論と技法はあらゆる場所で用いられ、卒業後の進路は業界・職種ともに多岐に渡ります。ものづくりやシステム構築、サービスの現場への深い理解と経営能力を兼ね備えた人材へ。
日本で唯一の学科であり、唯一のコースを設置
2013年度から、フードビジネス業界に特化した「フードマネジメントコース」を新たに設置するとともに、既存の2コースの学びも刷新。変化し続ける産業界の発展を読み解きながら、新しい社会のニーズに応えることのできる、これからの産業人を育成していきます。
ビジネスマネジメントコース

経営資源といわれるヒト、モノ、カネ、流通と情報、さらに知的財産に関する考え方やマネジメント工学の理論・技法を学習。それらの資源の選択と集中を図るための戦略を考え、日々、変化するビジネスの状況において、直面するさまざまな問題を工学的視点でマネジメントできる専門的スタッフあるいは企業経営者を育成します。
卒業後の進路
製造業・卸・小売業、サービス業、建設、金融保険などの企画等、活躍の場は広がります。
経営システムコース

科学技術や工学、情報通信技術の知識のみならず、組織が直面するさまざまなマネジメントの問題を解決するための方法論を実践的に学習。製品やサービスの企画、システムの開発・デザイン及び運用の各段階において、創造力を発揮して効果的にマネジメントできる経営スタッフあるいはエンジニアを育成します。
卒業後の進路
メーカーや情報通信などの生産管理や企画等、さまざまなところで活躍できます。
フードマネジメントコース

フードビジネスを視野に、企画マネジメント工学の理論、手法など、その考え方を通して問題解決を見出していく方法論を修得することを目的とします。実践教育によってグローバルな視点からの経営スタッフあるいはエンジニアとして必要となる企画力、問題解決能力、マネジメント能力を有する人材を育成します。
卒業後の進路
フードサービス産業、流通をはじめ商社などで、営業、企画、生産管理、財務などの管理系の仕事に携わります。
目指す資格
- 中小企業診断士
- 技術士
- 修習技術者
- 社会保険労務士
- 税理士
- 教育職員免許(工業)
- ITパスポート試験
- 情報処理技術者
- インテリアコーディネーター
取得できる資格
- 高等学校教諭免許状【工業】(1種/教職課程を履修)
就職業種
平成30年度分類別就職状況(平成31年3月31日現在)
- 情報通信業 25.80%
- 卸・小売業 19.00%
- 製造業 11.70%
- サービス業 11.70%
- 金融・保険業 7.40%
- 運輸業 6.10%
- 進学 4.90%
- 不動産業 4.30%
- 建設業 3.70%
- 公務 2.50%
- 飲食店・宿泊業 1.20%
- 教育・学習支援業 1.20%
- 複合サービス業 0.60%
おもな就職先
- ハウス食品(株)
- コナミホールディングス(株)
- 東日本電信電話(株)
- (株)SUBARU
- YKKAP(株)
- 三菱自動車工業(株)
- 伊藤忠テクノソリューションズ(株)
- (株)協和エクシオ
- (株)CIJ
- 共同印刷(株)
- 日鉄住金テックスエンジ(株)
- 東芝エレベータ(株)
- 富士通フロンテック(株)
- (株)富士通エフサス
- キヤノンITソリューションズ(株)
- キヤノンマーケティングジャパン(株)
- 日本ドライケミカル(株)
- (株)セゾン情報システムズ
- (株)日立システムズ
- (株)日立物流関東
- (株)JTB情報システム
- (株)ニチレイロジグループ本社
- 日本システムウエア(株)
- (株)NTTデータ・アイ
- (株)NEXCOシステムズ
- (株)アソウ・アルファ
- スガツネ工業(株)
- (株)ビジョン
- (株)アイ・エス・ビー
- (株)イオン銀行
ディプロマポリシー(学位授与の方針)
マネジメント工学科において、日本大学の目的及び使命、日本大学教育憲章、学部教育目標、本学部のディプロマ・ポリシー及び各学科の教育研究上の目的に基づいた教育課程により、マネジメント工学科のディプロマ・ポリシーの項目を修得している者に学士(工学)の学位を授与する。
- 豊かな教養と工学の基礎知識や方法をベースにしたマネジメントに関する基礎知識を持ち、高い倫理観を醸成することができる。
- 国際的視野に立ち、マネジメントに必要な情報を収集、分析して、自らの考えを説明することができる。
- 人・物・金・情報を有機的に結合させ、顧客が求める新たな価値(製品やサービス)を自ら構築することができる。
- ビジネスの現場をマネジメントでき、また生産性の向上や効果的なシステムの開発をマネジメントできる。
- 生産工学と経営・管理能力を駆使し、新しいことに果敢に挑戦することができる。
- 企業経営や知的財産の取り扱い、また情報技術などのマネジメントに関する理論や技法を駆使し、複雑かつ多様に変化する社会やビジネスの問題を議論し、自らの考えを伝えることができる。
- グローバル化する知識基盤社会の一員として技術の進歩に適応し、他者と協働することができる。
- 自己を知り、振り返りを通じて技術者としての自己を高めることができる。
カリキュラム・ポリシー
マネジメント工学科は、教育目標を踏まえ、学科のディプロマ・ポリシーに適う以下の人材を養成するため、4年間を通じて、教養、基盤(基礎)、生産工学系、及び専門教育で構成される体系的なカリキュラムを編成し実施する。また、各科目における教育内容・方法、成績評価方法、及び評価基準をシラバス等で明示し学生に周知した上で、公正かつ厳正に評価を行う。
- 教養科目と基礎科学・専門教育科目の学修により、豊かな教養と自然科学に関する知識とビジネスの現場をマネジメントするために必要な知識を身につけ、また高い倫理観を醸成することができる。
- 人・物・金・情報および知財経営に関する知識とビジネス現場で活用できる方法論を体系的に修得することによって、国際的視野に立ち、顧客が求める新たな価値を自ら構築し、ビジネス現場に応用できる能力を身に付けることができる。
- 実験実習科目、ゼミナール、卒業研究等の学修を通して、マネジメント工学に関するさまざまな技法を修得し、対象領域における新たな問題を自ら発見し解決することができる。
- 生産実習を中心に据える生産工学系科目の学修を通して、生産工学の基礎知識と経営管理を含む管理能力を修得し、新しいことに果敢に挑戦することができる。
- コミュニケーション能力を裏付ける、教養科目と基礎科学・専門教育科目や企業経営や知的財産の取り扱い、また情報技術などのマネジメントに関する理論や技法を駆使し、グローバル化し、複雑かつ多様に変化する社会やビジネスの問題について議論し、自らの考えを伝え、協働して取り組むことができる。
- 初年次教育及び生産工学系のキャリア教育に関連する科目の学修により、自己を知り、振り返りを通じて技術者としての自己を高めることができる。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)
マネジメント工学科では、日本大学教育憲章に則り、自ら学び、自ら考え、 自ら道をひらく能力を有し、社会に貢献できる人材を育成します。
このため本学科では、高等学校課程までに修得した知識 ・教養・倫理観を基に、以下に示す「求める学生像」を理解して意欲的に学修を進めていくことのできる者を求めています。
「求める学生像」
- 豊かな知識・教養を身につけて高い倫理観をもってマネジメントの視点から社会(日本社会・国際社会)に貢献することを目標とし、その目標に向かって自ら継続的に学修する意欲をもつ人。
- 問題発見及びその解決のために、マネジメントに関わる情報を収集・分析し、自らの思考力をもって、自らの考えをまとめ、表現しようと努力する人。
- グループやチームをとおして自己を高め、さらに挑戦することや振り返ることの必要性を理解した上で、生産工学と経営・管理能力を駆使し、新しいことに果敢に挑戦する人。
なお、本学科に入学を志す者は、「求める学生像」を理解して受験していると判断し、入学試験では、学力試験等により、4年間の学修に必要な知識・技能・思考力・判断力を評価します。
教員紹介
※ 下表の教員指名をクリックすると経歴や研究、論文などの詳細な情報を掲載したページに移動できます。
令和元年5月1日現在
石橋 基範:Motonori Ishibashi
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:認知工学、人間-機械システム、経営統計
- 研究テーマ:人間工学、人間機械システム
五十部 誠一郎:Seiichiro Isobe
教授・博士(農学)
- 主要担当科目:フードマネジメント概論、フードサプライシステム、食の安全管理
- 研究テーマ:フードマネジメントに関する研究、フードビジネスのための品質及び工程の評価と改善手法の開発、アグリビジネスやフードビジネスのための農産物流通加工システムに関する研究
河合 信明:Nobuaki Kawai
教授
- 主要担当科目:知的財産戦略、知的財産権、知的財産戦略演習
- 研究テーマ:企業経営における知的財産の現状と課題、知的財産権の取得における企業経営の現況と対応
酒井 哲也:Tetsuya Sakai
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:デザインエンジニアリング、基礎製図、工学基礎
- 研究テーマ:生産設備の安全性評価、材料の耐久性と信頼性評価
柴 直樹:Naoki Shiba
教授・博士(理学)
- 主要担当科目:経営情報管理、データベースシステム、社会シミュレーション
- 研究テーマ:情報システム開発の方法論、社会・経済システムのシミュレーション、意思決定論・ゲーム理論
鈴木 邦成:Kuninori Suzuki
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:在庫・物流管理、マネジメント工学実習Ⅰ・Ⅱ 、コンピュータ演習Ⅰ・Ⅱ
- 研究テーマ:リバースロジスティクス工学による収集運搬・回収システムの設計及び最適化、環境共生工学の視点からの企業活動の分析及び評価、企業情報システム設計におけるドメイン分析及びモデリング
豊谷 純:Jun Toyotani
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:経営品質マネジメント、情報システム、ネットマーケティング
- 研究テーマ:流体・音響解析による最適設計、ビックデータ等のマーケティング分析、ロジスティクスのモデル化とシミュレーション
平田 光子:Mitsuko Hirata
教授・博士(経営学)
- 主要担当科目:企業評価、キャリアデザイン、ビジネスリーダーシップ
- 研究テーマ:経営学、企業家精神と組織成長、ベンチャービジネスのマネジメント、リーダーシップと職場マネジメント
水上 祐治:Yuji Mizukami
教授・博士(経営管理)
- 主要担当科目:経営戦略、プロジェクト・マネジメント、商品企画開発
- 研究テーマ:経営学、ソフトウェア工学、計算機統計学
三友 信夫:Nobuo Mitomo
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:信頼性工学、安全工学、マネジメント工学実験Ⅰ、マネジメント工学実習Ⅱ
- 研究テーマ:大規模システム等のリスク評価 経済性を考慮した大規模システム・プラントの保全に関する研究、リスク評価のための人間信頼性に関する研究
村田 康一:Koichi Murata
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:生産管理
- 研究テーマ:改善実践者のサポートに関する研究、生産職場の改善成果のマネジメントに関する研究(改善技術の分類学)、地域中小製造企業における組織づくりに関する研究
矢野 耕也:Koya Yano
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:品質工学、生産技術、生産システム、統計解析演習
- 研究テーマ:品質工学による生産・加工システムの設計と最適化、パターン距離を用いた各種システムの予測評価と技術・経済性の改善、社会情報データを用いた各種対象の定量的動向診断および予測
山本 壽夫:Hisao Yamamoto
教授・博士(学術)
- 主要担当科目:経営戦略、マーケティング、ホスピタリティ・マネジメント
- 研究テーマ:自己組織化するシステムの進化を誘導する研究(システム=組織、都市環境、学習地区、商業集積、工業集積など)、ホスピタリティ・マネジメントに関する研究
吉田 典正:Norimasa Yoshida
教授・博士(工学)
- 主要担当科目:情報科学、情報処理基礎、情報ネットワーク
- 研究テーマ:情報可視化、美しい曲線・曲面に関する研究、対話的なシミュレーションに関する研究
飯沼 守彦:Morihiko Iinuma
准教授・工学修士
- 主要担当科目:経営管理、意思決定理論、システムズ・アプローチ
- 研究テーマ:質的研究による組織の分析、エージェント・ベース・アプローチによる組織現象のシミュレーション
大前 佑斗:Yuto Omae
助教
- 主要担当科目:ワークデザイン、生産性工学、プロジェクト演習
※ 授業担当の専任教員を対象として掲載しています。
※ 自主創造の基礎、ゼミナールⅠ、ゼミナールⅡ、生産実習Ⅰ、生産実習Ⅱ、卒業研究は専任教員全員で担当しています。
関連サイト
さらに詳しくマネジメント工学を知る
日本大学生産工学部では、各学科ごとにコースの詳細や、研究室などの詳細情報を掲載しているウェブサイトを開設しています。併せてご覧ください。