人間や生活・暮らしに関わる
様々な問題を発見、解決する。

創生デザイン学科 鳥居塚 崇

人間や生活・暮らしに関わる様々な問題を発見、解決する。

創生デザイン学科 鳥居塚 崇

感じ方を測る

人間はいろいろなものから刺激を受けています。それに対してきれい、美しい、気持ち良いなどの感情を抱きます。感じ方を測る方法は、人間の五感がセンサーとなる官能検査という方法や心拍や唾液など人間の身体の変化を捉えて緊張やリラックスの度合いを測る方法などがあります。最近行った研究は公共トイレの「きれい-汚い」の感じ方の要因はタイルの大きさにあることを明らかにしたものや、LEDが照明として使われている部屋と白熱電球が使われている部屋ではどの程度くつろぎ感が異なるかを明らかにしたものなどがあります。

考え方を測る

デザインにおいて大切なことは、人間がどのような場面で何を思い、何を考えているかを常に把握することです。そうすることによって、わかりやすい、使いやすい、あるいは正しく使えるものをデザインすることができるのです。人間の考え方はどこを見ているか、どういう行動をしているかなどを観察することによって推測する方法や、言葉や会話の内容から推測する方法などがあります。これは使いやすいものをデザインするときの基本的な手法です。工学系ですが言葉を分析することもあります。このように研究室では様々な方法や装置を用いて人間の考え方を探っていますが、写真はアイカメラを使ってどのように空間を捉えているかを探ろうとしているところです。

デザインで人間の行動をコントロールする

なにかから刺激を受ける→そこから何かを感じて考える→感じたり考えたりしたことを行動に移す…という図式を考えると、結局のところデザインの目的は「人間の行動をデザインする」ということになります。例えば色を変えること、姿勢を変えること、明るさを変えることで人間の行動は変わります。研究室では,どのような刺激を人間に与えると(言い換えると,どのようなデザインにすれば)、人間の行動はどのように変わるのかを明らかにしながら、デザインの指針を導く取り組みも行っています。とくに色彩が人間の行動にどのように関わっているかを明らかにしようとする研究は、ここ数年の研究室の大きなテーマになっています。またあるものを見ると人間は自然とある行動をとりたくなってしまう…という図式を明らかにすることによって、直観的にわかる/直観的に操作できるデザインを考えたりもしています。

鳥居塚研究室は,人間や生活・暮らしに関わるさまざまな問題の発見から解決に向けた指針を導くに至る一連のプロセスを学生たちに伝え実践させる役割を担うとともに,その成果を社会に向けて発信する役割も担っています。デザインに関わる幅広い知識や技法を学生に提供することを目的とした学科の中において,人間工学や感性工学,応用心理学,生活工学などを扱う,「人間」や「生活」に焦点を当てた研究室です。研究室でとりあげる研究のスタートラインは人間の考え方や感じ方を理解することです。また人間を取り巻く社会的な要因を含めて「人間」を考えていくことが課題です。私たちを取り巻くさまざまな場面・状況に目を向け、人間の自然な「感じ方」「情報の捉え方」「ものの見方・考え方」「行動」「動き」などを考え「なにがそのように感じさせるのか」「なにがそのように考えさせるのか」「なにがそのような行動を誘発するのか」を明らかにし、それらに基づいていろいろなこと(プロダクトや空間,インタフェースなどだけでなく、使っている・暮らしているという経験や,社会的な仕組みなど)をデザインしようと考えています。

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