マネジメント工学について
マネジメント工学は、企業の“良い経営”を実現するための工学です。製品・製法そのものを扱う機械工学、 電気工学、応用化学などの“固有技術(の工学)”とは少し異なって、マネジメント工学は、“良い製品とは なにか”、“良い生産方式”とはいかにあるべきかを考えます。 企業システムの設計・評価・管理の方法、企業活動の地球環境保全という観点からの検討、働く人の身体 的・心理的心地よさの追求と事故における人間的原因の解析、コンピュータを利用したシミュレーション技術 などの研究を行っています。
修士論文のテーマの例としては、「生産・消費過程の環境影響データの収集・評価」、「VDT作業システムの最適化に関する研究」、「超音波、MRIなどの非侵襲計測法を利用して生体組織の性状を映像化する生体医工学の研究」、「自動化システムにおけるヒューマン・ファクターに関する研究」、「消費者行動の影響要因とその過程に関する研究」、「物理現象のシミュレーションや経営情報などの様々な情報の可視化に関する研究」などが挙げられます。
大学院には博士前期課程(修士課程)と博士後期課程(博士課程)があります。社会の現場で働く人として求められているのは多くの場合、博士前期課程終了者です。研究能力を高め、将来は研究者として自立しようとするような人は、さらに博士後期課程に進学することになります。
博士前期課程では、入学時に指導を受ける教員を決めて研究室に所属します。2年間を通じて、教員の指導のもとに研究を行い、修士論文を作成します。この最先端の研究を行うことによって、専門分野の知識や問題発見・問題解決の方法を修得でき、卒業後、社会で有能な技術者として活躍する基礎能力を養うことができます。
また、国内外の学会にその成果を発表する機会も多く、それによって自分を世の中に売り出すことができます。なお、専門分野の知識を深めるため、講義や演習などの大学院の授業を受ける必要があります。
マネジメント工学専攻は、経営や生産の効率化を図ったり、環境や人にやさしい製品やシステムを設計・開発し、運用するための、より高度で専門的な教育と研究を行い、問題を解決するためのエンジニアリングの基本的知識を持ち、新しい産業社会に対応できる技術者や研究者を育成します。
教育研究の目的・ポリシー
博士前期課程
教育研究の目的
高品質の製品やサービスを効率よく生産・提供する方法を研究し、開発から生産、流通、廃棄に至る一貫した管理技術を修得させる。また品質や生産の管理だけでなく、組織の意思決定のプロセスにおける最適化や情報獲得の技術も教育する。企業や組織、社会システムや地球環境も含め、人が関わるあらゆるシステムを最適にマネージするための技術を研究・教育し、新しい産業社会に対応できる管理能力を備えた技術者・研究者を養成する。
ポリシー
ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー
博士後期課程
教育研究の目的
物及びサービスの企画・開発から生産、流通、廃棄に至る一貫したプロセスを最適化する方法、さらにこの最適化を可能にするための組織の構造と運用技術を研究・教育する。最適化の観点は、それらの過程及び結果から人間の受ける精神的・肉体的ストレスが低く、地球環境の持続可能性が高いことである。多様な価値観を調和させ、プロセスの最適化を達成するための問題発見・問題解決ができる自立した研究者・教育者を養成する。
ポリシー
ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー
主な研究例
- シミュレーションによる最適設計とマーケティングによる人気要因分析
- 品質工学による生産・加工システムの設計と最適化
- リバースロジスティクス工学による収集運搬・回収システムの設計及び最適化
- 人間工学、認知工学、安全工学によるモノづくり、コトづくり
研究者の紹介
※さらに詳細な研究テーマ、キーワード、論文などは、研究者氏名をクリックしてください。
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
人間工学(人間機械システム)、人間の認知・行動特性とその産業応用、ヒューマン・マシン・インタフェース、感性工学 |
外部活動 |
日本人間工学会理事、日本人間工学会人間工学専門家認定機構幹事、自動車技術会ドライバ評価手法検討部門委員会委員、ヒューマンインタフェース学会論文誌編集委員会委員 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(農学) |
研究テーマ |
フードビジネスのためのイノベーション、食品生産工程管理の評価と設計、農産物流通加工システム |
外部活動 |
日本食品科学工学会総務委員、日本食品工学会理事、日本機能水学会評議員 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
設備の余寿命予測、デザインエンジニアリング、コロージョン・エンジニアリング |
外部活動 |
日本材料科学会理事、ISO/TC35/SC12国内委員会 委員長、化学工学会 化学装置材料部会 有機材料分科会 主査、日本産業廃棄物処理振興センター 感染性廃棄物容器審査委員会 容器審査委員 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(理学) |
研究テーマ |
情報システム開発の方法論、社会・経済システムのシミュレーション、意思決定論・ゲーム理論 |
外部活動 |
経営情報学会・論文誌編集委員、計測自動制御学会システム工学部会運営委員 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
ロジスティクスシステム、環境共生工学 |
外部活動 |
日本ロジスティクスシステム学会理事、日本情報ディレクトリ学会理事 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
ヒューマンファクターズ(人間工学)、安全学、人間生活工学、感性工学、UXデザイン |
外部活動 |
国際人間工学会連合理事、日本人間工学会安全人間工学部会長、日本工学アカデミ一安全知と安全学委員会委員、国際人間工学会連合Affective Engineering TC副委員長 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
消費者のマーケティング調査と購買要因分析、数値シミュレーションによる音響解析、AIによる業務効率化、物流センターの最適配置問題 |
外部活動 |
日本情報ディレクトリ学会事務局長理事、日本人材データ標準化協会副会長、日本工学教育協会工学教育研究講演会委員会委員 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(経営管理) |
研究テーマ |
研究力・技術力評価の統計的手法の導出、デミング経営哲学に基づく業務改善、ソフトウェア開発のプロセス改善 |
外部活動 |
宇宙航空研究開発機構システム研究員、日本経営システム学会常任理事・編集委員長 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
確率論的リスク評価とその応用、人間信頼性工学、ヒューマンファクター |
外部活動 |
日本学術振興会リスクベース設備管理第180委員会庶務幹事、日本材料科学会庶務理事、日本人間工学会海事人間工学研究部会委員、Technical Committee of lEEE SMCS Human Centered Transportation Systems |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
生産管理学、リーンマネジメント、知識科学、技術経営 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
品質工学による最適化と改善、直交表の品質問題への応用、Mahalanobisの距離を用いた多次元データ解析、医学データの計量診断 |
外部活動 |
品質工学会理事、品質工学論文誌副編集長 |
職名 |
教授 |
学位 |
博士(工学) |
研究テーマ |
ビジュアルシミュレーション、ビジュアル情報処理、情報可視化、形状処理 |
外部活動 |
CAD国際会議プログラム委員、Cyberworld国際会議プログラム委員、画像電子学会副会長(2019~2021) |