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応用分子化学科:出張模擬授業

本学の教員が高校へ出向いて行う授業(40分~90分)です。高校生が大学での学問や学び方などへの理解を深め、進路選択の参考とすることを目的としています。
本学部の多彩な分野から希望される講義を受講することができます。

出張模擬授業

NO.05001

テーマ 化学の力で熱を操る!
資格 教授
氏名 岡田 昌樹
キーワード 化学反応、反応熱、吸着熱、溶解熱、潜熱
必要機材等 プロジェクター、スクリーン(プロジェクター無しでの対応も可能)生徒の皆さんに実験を行っていただく場合、実験内容によっては白衣、保護メガネ、ラテックス手袋の着用をお願いする場合があります。
授業内容 身の回りには化学反応や物質の状態変化にともない放出(吸収)される熱を巧みに利用したモノがあります。例えば、白金カイロは燃料の蒸気を触媒である白金用で制御しながら燃焼することで持続的な発熱を実現しています。
また、物質の状態変化にともなう熱の出入りを利用した潜熱蓄熱システム等も例として挙げられます。この模擬授業では、いくつかの例を取りあげて実際に熱の出入りを体験してもらいながら、発熱や吸熱が起こる仕組みについて解説します。
【授業計画】
《講 義》化学変化にともなう発熱や吸熱の仕組み
(15〜30分間)
《実 験》いくつかの実験の組み合わせで構成(15〜60分間)
《まとめ》最先端のエネルギー変換技術の紹介(5〜10分間)
備考 実験の有無ならびに内容については、ご依頼をいただいた段階で打合せをさせていただき、コンテンツや実施時間等を調整させていただきます。
実験の実施が難しい場合は演示での対応も可能です。

NO.05002

テーマ 酸化還元反応をこの目で確かめよう!そして理解しよう! 〜うがい薬とレモンジュースを使った時計反応〜
資格 教授
氏名 柏田 歩
キーワード 酸化還元反応・ヨウ素-デンプン反応
必要機材等 プロジェクター(必須)、スクリーン(できれば)をご準備願います。排気装置等は必要ありませんが、水道を必要とします。
授業内容 身近なものを用いた演示実験を通して、化学反応に対する理解を深めてもらうことを目的としました。
市販のうがい薬(ヨウ素含有のもの)をデンプン溶液に滴下するとヨウ素-デンプン反応により青色に呈色します。しかしながら、うがい薬にレモンジュースを加えるとヨウ素-デンプン反応は起こりません。これは、ヨウ素がレモンジュース(ビタミンC:アスコルビン酸)によって還元され、ヨウ化物イオンに変化したためです。
この、うがい薬+レモンジュース溶液にオキシドール(過酸化水素水)を所定量加えると、ヨウ化物イオンは酸化されてヨウ素に変化するため、溶液は青色に呈色します。この反応はうがい薬とレモンジュースとオキシドールの量によってコントロールできます。すなわち、ヨウ素-デンプン反応の呈色までの時間をコントロールできることになります。
この反応(時計反応という)をもとに酸化還元反応を解説するとともに、化学の面白さを伝えられればと思っています。

NO.05003

テーマ 付加価値の高いモノのつくりかた
資格 教授
氏名 田中 智
キーワード 無機化学、結晶、形態、ナノテクノロジー
必要機材等 プロジェクターとスクリーン
授業内容 本授業では付加価値の高いモノづくりの基本的な考え方や発想法について説明します。無機化学の知識をベースにして、付加価値の高いモノづくりに必要な内容を理解してもらいます。同一の原材料を使っても、異なる結晶構造をもつ生成物や異なる形態の無機結晶が得られることはよく起こります。化合物の結晶構造や結晶の形態が変化すれば、この化合物がもつ物理的な性質や付加価値が変化します。材料の使用用途にあったモノづくりを行う際、ナノテクノロジーを使って材料設計されたモノづくりができます。模擬授業を通じて、モノづくりの楽しさを体感して欲しいです。

NO.05004

テーマ “酸と塩基”を“人との出会い”に例えると
資格 教授
氏名 津野 孝
キーワード 酸、塩基、中和反応、イオン、水、溶媒
必要機材等
授業内容 人は顔も違えば性格も人それぞれ違います。でも一つの枠(社会)の中に入るといつの間にか仲の良い者同士で集まっているものです。
これまでに皆さんはこのようなことを経験してきていると思います。高校で教わる酸と塩基の性質も人の性格と同じようなものだといえます。
高校の教科書では、主に酸をH+、塩基をOH-として解釈し、H+とOH-から、水(H2O)が生成する反応を中和と記されています。H+とOH-が一緒になるためには水(溶媒)が必要で、これを前述の人の出会いで例えるなら、社会です。
社会が変われば人の出会いも変わります。同じように溶媒が変われば酸と塩基の反応も変わります。
このように酸と塩基の出会いも環境次第と言えます。本模擬授業では、高校教科書の“物質の変化”の章で出てくる“酸と塩基”と“それらの化学変化”について、人との出会いに例えて解説します。

NO.05005

テーマ 1円玉と10円玉で滴定時のビーカー内での化学種濃度変化を考える
資格 教授
氏名 中釜 達朗
キーワード 酸塩基(中和)滴定、沈殿滴定、キレート滴定
必要機材等 1円玉と10円玉硬貨(またはそれらに類するチップ)各12枚ずつ/人
授業内容 滴定におけるビーカー中の化学種(分析対象物質と滴定剤)濃度は一般的に計算によって求めます。この計算が苦手になって「化学嫌い」になる方も多いと思います。この模擬授業では、2種類の硬貨あるいはチップをそれぞれ分析対象物質と滴定剤の単位物質量(1molまたは1mmol)に見立て、「滴定シミュレーションシート」に描かれたビーカー内での配置により、計算せずに化学種濃度を求めます。並行して濃度計算方法を説明することにより、当量点(中和点)を含む滴定過程での一連の濃度変化を視覚的に理解し、計算方法を定着させることが期待できます。

(参考文献)中釜、南澤:「化学反応を伴う物質収支を視覚化した滴定学習用簡易シミュレーション教材の試作」、工学教育、66(6)、pp.68-73 (2018)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsee/66/6/66_6_68/_pdf/-char/ja)

NO.05006

テーマ 「香り成分を作ってみよう!」
資格 教授
氏名 藤井 孝宜
キーワード 香り成分・有機化合物・エステル合成
必要機材等 試験管、ビーカー、ピペット等の実験器具が必要です。
香り成分(エステル)を合成するので、ドラフトチャンバーが必要です。
授業内容 私たちは毎日の生活の中で知らず知らずのうちに、なんらかの香料を使用しています。
香料には飲料、お菓子、アイスクリーム、即席めんなどの加工食品に使用されるフレーバー(食品香料)や香水、オーデコロン、化粧品、セッケン、潜在、芳香剤などにしようされるフレグランス(香粧品香料)があります。
このほか、医薬品や歯磨き、飼料、都市ガスなどにも香料は使われています。
これらフレーバー、フレグランスの原料である精油、エキストラクト、アロマケミカルも香料であり、天然香料、合成香料とよばれています。
香り成分は一般に単純ではなく、さまざまな香料が調合されています。
ここでは果物の香り成分である有機化合物(エステル)を合成し、いろいろな香料を作ってみましょう。

NO.05007

テーマ ①高分子だからこそ見られる変化とその使い方
②酵素という名の高分子が自分たちのためにできる仕事
資格 教授
氏名 山田 和典
キーワード 高分子、環境、水
必要機材等 プロジェクター用のスクリーンがあると助かります
授業内容 ①高分子だからこそ見られる変化とその使い方水溶性の高分子は身の回りにたくさんあります。保冷剤、切手を封筒に貼ることなど、水に関係する高分子の特性についてお話しします。
②酵素は人体や植物などの中に存在し、優れた化学反応を速やかに行ってくれます。この特殊な反応を利用して水を浄化することを目的に利用してみます。

NO.05008

テーマ バイオテクノロジーのその後
資格 教授
氏名 吉宗 一晃
キーワード 酵素の立体構造、遺伝子組換え、次世代シーケンサー、ゲノム編集技術
必要機材等 プロジェクター
授業内容 生命科学は急速に進歩しています。高校生物のバイオテクノロジーで説明されている項目のその後の進捗について、生物を学んでいなくても分かるようにできるだけ平易にお話しします。生命科学といっても生物の教科書に掲載されている内容だけでは不十分で、化学や物理の知識も必要です。このため生物を学ぶ方だけでなく、これから化学や物理を学ぶ方の参考にもなる内容です。

NO.05009

テーマ ノーベル賞に輝いたクロスカップリング反応(鈴木カップリング)について
資格 教授
氏名 市川 隼人
キーワード クロスカップリング反応、鈴木カップリング、ノーベル賞
必要機材等 実験の操作や説明にプロジェクタを持参したいので、スクリーンがあると良いです。無くても可。
実験器具、試薬は持ち込みます。教室でも実験室でも可能です。
保護めがねや白衣があると良いですが、無い場合は保護めがねを持っていきますのでご連絡下さい。
授業内容 2010 年ノーベル化学賞は日本人の根岸先生、鈴木先生が受賞しました。
このノーベル賞に輝いたクロスカップリング反応を説明し、実際に試験管でこの反応を体験します。

NO.05010

テーマ 水の電気化学 -かんたんな実験で本質を見る-
資格 准教授
氏名 齊藤 和憲
キーワード 水、電気分解、電気化学
必要機材等 特になし
授業内容 化学の現象には、電子をやりとりしながら進むものが多く、電気分解、電池、酸化還元反応などは、すべて原子・分子の電子授受にまつわるものです。なかでも、水の電気分解は、基本的な実験でありながら、将来的なエネルギーとして期待される水素を得る方法の一つです。本授業は、かんたんな演示実験を通じて、水の電気分解反応を理解してもらうことを目的としました。
(1)こんなに簡単!水の電気分解実験水を電気分解すると、陽極と陰極でそれぞれ酸素と水素が発生しますが、それだけでなくそれぞれの電極付近の液性も変化します。この実験を通じてその現象を観察します。
(2)水中のイオンの動きを見てみよう!
水溶液の電気分解反応では、水素や酸素などの気体の発生だけでなく、イオンの動きも重要な現象です。ここではイオンの動きを簡単な実験で観察します。

NO.05011

テーマ マイクロ空間における機能性ナノ粒子の創製
資格 准教授
氏名 佐藤 敏幸
キーワード 水熱合成、機能性ナノ粒子、マイクロ空間
必要機材等
授業内容 近年、我々の身近にある様々な製品製造の基盤となる材料合成において、環境調和型の新規反応場として、水が持つ性質に注目が集まっています。これは、水が特殊な環境下(例えば高温高圧下)では、有機溶媒や触媒のような働きを示すためであり、これまでに新しい有機合成プロセスや無機合成プロセスの研究が発表されています。
一方で、これらの反応を行うデバイス(反応装置)についても研究が進んでおり、近年、マイクロ空間を組み込んだ小型反応デバイスを用いた各種合成プロセスの研究も活発に行われています。
本授業は、水が持つ特性について対象者のレベルに合わせた内容とし、材料合成における水の持つ魅力についてご説明します。授業時には、実際に水を用いて合成した機能性ナノ粒子(例えば磁性体など)のサンプルや反応に用いるマイクロデバイスに直に触れていただくことで、材料やデバイスなどのものづくりの楽しさをお伝えします。
備考 実験を行い体験してもらうことが第一と考えておりますので、実験授業とさせていただきたく存じます。実験の安全性には充分に配慮しておりますが、白衣、保護メガネの着用をお願いいたします。また、実験時間として60分程度を確保頂ければと思います(講義形式の場合も同様)。

NO.05012

テーマ 視覚に訴える化学〜行ったり来たりする化学反応
資格 准教授
氏名 保科 貴亮
キーワード 化学平衡、酸化還元反応、反応速度
必要機材等 試験管、ビーカー、ピペット等の実験器具が必要です。香り成分(エステル)を合成するので、ドラフトチャンバーが必要です。
授業内容 一般的に、化学反応は平衡状態に向かって自発的に変化し、反応の時間は反応の種類によってさまざまである。そしてその変化は後戻りすることなく、ひたすら平衡状態に近づきながら変化し、反応が終了する。
この授業で取り上げる反応は、一度変化した色が自発的の元の色に戻り、同様の変化を周期的に繰り返す。このような反応は振動反応と呼ばれており、見た目には一般の化学反応の法則に矛盾した現象に見える。この現象を難しい化学式を使わず視覚とイメージで解説し理解を深めてもらうとともに、化学を身近に感じるきっかけ作りの場にできれば幸いである。【授業計画】
《講 義》振動反応の不思議と反応機構の解説
《実 験》振動反応の実験
《まとめ》色の変化を伴う化学反応の紹介
  • 実験授業が不可能な場合は、第41回国際化学オリンピックイギリス大会にメンターとして参加した時の体験談や、実際の問題などを紹介する講義形式の授業も可能である。

NO.05013

テーマ 色と光の化学 ~なぜ色は見えるのか~
資格 准教授
氏名 山根 庸平
キーワード 光の分解、蛍光とりん光
必要機材等 プロジェクター(必須)、窓のブラインド(できれば)
授業内容 普段は意識することの少ない光と色の存在、これを科学的な視点でわかりやすく説明します。太陽光の分解、色フィルターによる光の吸収、光の色の重ね合わせといった実験を通じて色が見える仕組みについて体験します。現代では科学の力で色や光を自在に操ることができるようになりました。そのような例を紹介しながら化学の役割について学習します。また、興味深い蛍光や蓄光を体験してもらいます。
備考 対象は小学生高学年、中学生、高校生。レベルに合わせた内容とします。

NO.05014

テーマ ①マイクロプラスチックとは?
②身近なプラスチック材料
資格 准教授
氏名 木村 悠二
キーワード 高分子化学、高分子合成、高分子材料
必要機材等 プロジェクターおよびスクリーン
授業内容 身近にはたくさんの高分子材料があり、生活するうえでかかせない材料と なっています。本講義では、高分子材料がどのように作られるのか、どのような特性をもっているかなどについて講義を行います。さまざまな機能性を付与 した高分子材料についても紹介します。 近年世界的に問題となっているマイクロプラスチックについても、どのような経過で発生するのか、どんなことが問題なのか紹介します。

NO.05015

テーマ マヨネーズの化学で美味しいパスタをつくろう!!
資格 専任講師
氏名 高橋 大輔
キーワード エマルジョン,乳化剤,界面化学,イタリアのカルボナーラ
必要機材等 プロジェクター・スクリーン,可能であればお湯
授業内容 マヨネーズやハンドクリームなどの製造に用いられる乳化現象について講義を行うとともに,体験実験で理解を図ります。また,大学での実験・研究や界面化学という学問分野とのつながりについて解説するとともに,イタリア人がつくるパスタ(カルボナーラなど)の美味しい作り方やクレンジングの正しい方法を知り,化学の知識や実験技術を知ることによる広がりを楽しんでもらいたいと思います。
備考 体験実験は,食品に使用されているものを使用しますので実験室ではなくて,教室でも家庭科調理実習室でも問題ありません。

NO.05016

テーマ 液体のドライアイスを作ろう
資格 助教
氏名 伊東 良晴
キーワード 固体、液体、気体、状態図、相変化
必要機材等 プロジェクタ、スクリーン
授業内容 物質の状態は、典型的な固体、液体、気体に区別され、温度や圧力の変化によって状態が変化する。水は、温度変化によって固体状態の氷、液体状態の水、気体状態の水蒸気に変化する身近な物質である。
授業では、二酸化炭素の状態変化を観察し、温度、圧力変化などの状態量を座標軸にとって表した状態図から固体、液体、気体の三態の理解を深める。

<備考>
使用する実験器具・試薬は、耐圧ゴム管、ピンチコック、ドライアイスです。
状態変化の観察は、必ず保護メガネをかけて行います。