※記載されている学年は取材当時のものです。

大学を選ぶとき、私もあらゆるパンフレットを見比べました。その中で、生産工学部が「経営がわかる技術者」を育成し、企業での「生産実習」をとても重視していると知りました。単なる理工系ではなく、経営やマネジメントなど、実務的なことも身につけて社会に出てほしいという願いがあったので、安心して娘を送り出せると感じました。これから彼女が何を専門に研究したいか、それをどう将来に結びつけるか、生産工学部なら具体的に見つけられるだろうと期待しています。そして、ずっと続けられる職業に就いてほしいですね。

娘は何事も感覚的に捉えるタイプでしたが、入学後は少しずつ論理的な話し方ができるようになってきました。また、些細なことにも気がつくようになり、勉強と家事を計画的にこなせるようになってきたという部分でも、成長を感じますね。自分で考えながら仕送りと奨学金をやりくりする、いわば家計のマネジメントもよくやっているんじゃないでしょうか。

札幌の場合、北海道外の大学に進学させる割合は非常に少ないのですが、私は東京出身で、主人も大学は本州。将来の就職先を考えても、むしろ関東への進学を望んでいました。ふだんはお互いにLINEで近況報告をしますが、様子見がてら、娘の家にはもう5、6回、遊びに行っています。成田空港から京成線1本で約40分ですし、LCCなら道内を移動するより安く、気軽に往復できる。それが本当に魅力で、すごく身近に感じるんです。キャンパスの周辺も、住むと便利で、安心できる環境ですね。

美術系の大学をめざして一浪をしている間、化学の受験勉強が楽しくなって、志望を変えました。美術をあきらめて考えたとき、自分は「物の材質や仕組み」に興味があるとわかったんです。もともと北海道を出たかったこともあって、母と相談しながら学部や学科を一つひとつ調べていくうちに、生産工学部のカリキュラムに魅力を感じて受験しました。

なんとなく選んだ化学ですが、深く学ぶほど多くの発見があります。「応用分子化学実験Ⅰ」では水の硬度を計るなど、物質を理解していくプロセスがおもしろい。2年生になると、前回の実験の最終レポートが終わらないうちに、次の実験の予習レポートに取りかかるなど、忙しさが増します。学業、家事、カフェのアルバイトの時間を調整しながらスケジュールを埋めていく、そんな緊張感のある毎日です。

自分がたくましくなったと思う部分は家事ですね。実家では全て母まかせだったので、自炊も洗濯もやるようになり、時間の使い方にも慣れてきました。でもこうして帰省すると、ご飯ができていて、洗濯物も乾いている。改めて母のありがたみを感じます。 将来就きたい職業は具体的にはまだ決めていませんが、漠然とでも自分の興味を深めていくには、生産工学部はとても良い場所だと思います。先生方は「この学部は就職率がいいから、みんな胸を張って生産実習に行くようにね」とおっしゃっています。将来は地域や職種を限定せず、自分が行きたいところ、やりたいことを見つけられたらいいなと考えています。