日本大学生産工学部研究報告B(文系)第58巻
11/14

概 要─ 9 ─グローバル化が進む社会の要請に対応できるよう,生産工学部ではコミュニケーション能力を養うための英語科目を必修としている。2022年に導入されたカリキュラムでは,2年次の必修英語科目について,学生を対象とした希望調査アンケートの回答に基づき,4技能を総合的に学ぶクラス,ビジネス場面の英語を重点的に学ぶクラス,また口頭でのコミュニケーションに焦点を当てたクラスの3種類へのクラス分けがなされる。本稿では,これら英語科目の運営について報告し,2022年度と2023年度のアンケート結果の傾向を分析する。結果として,いずれの年度においても30%以上の学生が4技能バランス型のクラスを選択したが,学科ごとに異なる傾向も見られた。例えば,マネジメント工学科では,30%以上の学生がキャリア目標を考慮してビジネス英語のクラスを第一志望とする一方で,土木工学科では実践的な会話能力が重視され,コミュニケーション重視型のクラスが選ばれる傾向が認められた。これらの結果から,学科ごとのニーズに対応した授業設計の必要性が示唆される。今後は,キャリアに特化した語彙やコミュニケーション活動の充実など,教材や授業内容を学科の教育目標に沿って調整することを検討する。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る