日本大学生産工学部研究報告B(文系)第54巻
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( 8 )注釈(注1)拙著『近代都市の下層社会─東京の職業紹介所をめぐる人々』(法政大学出版局、二〇一六年)。(注2)労働省編『労働行政史』(第一巻、労働法令協会、一九六一年)五五九頁表一。(注3)拙稿「近代日本における公立職業紹介事業のラジオ利用」(『史叢』九四号、二〇一六年三月)。(注4)同右「一九三〇年代における公立職業紹介事業の映画利用」(『メディア史研究』三七号、二〇一四年六月)。(注5)加瀬和俊「学内所蔵特殊コレクションシリーズ№13 社会科学研究所所蔵『糸井文庫』について」(『図書館の窓(東京大学附属図書館広報誌)』二〇〇二年六月)。なお、本稿で扱う映画シナリオ案は、加瀬和俊監修・近現代資料刊行会企画編集『東京大学社会科学研究所蔵「糸井文庫」シリーズ 職業指導・少年職業紹介19』(近現代資料刊行会、二〇一四年)に収められている。(注6)映画タイトルについては、職業紹介事業協会の機関誌『職業紹介』(近現代史史料刊行会)、『映画検閲時報』(不二出版復刻版)、文化庁「日本映画情報システム」(https://www.japanese-cinema-db.jp/)を確認したが見当たらなかった。(注7)「昭和二年十二月二十二日名古屋地方職業紹介委員会答申昭和二年十一月二十一日発社第一四六号諮問」、「昭和三年四月十三日福岡地方職業紹介委員会答申昭和三年一月二十五日発社第十五号諮問」(職業訓練大学校職業訓練研究センター編刊『調査研究資料第三〇号 職業訓練関係資料集(Ⅰ)』一九八〇年)一六二、一六八頁。(注8)名古屋地方職業紹介事務局編刊『職業紹介法施行十周年記念求人開拓日実施並記念事業概況』(一九三一年一〇月。糸井文庫二七─一七所収)イ五~イ八頁、同事務局編刊『職業紹介日実施概況』(一九三三年一一月一〇日。糸井文庫一四─一二所収)二九~四二頁表。(注9)大阪市社会部労働課編刊『大阪市設社会事業要覧』(一九三三年)「職業紹介所」一頁、大阪地方職業紹介事務局編『大阪地方職業紹介事務局沿革概要 大正一二年至昭和八年』(一九三四年)一、五七頁。(注10)同時期の東京では、東京市知識階級職業紹介所内に「山びこ会」なる同好会が存在し、詩や戯曲を収録した同好会誌を刊行していた。ただし、ここに映画シナリオはない(拙稿「東京市知識階級職業紹介所と同好会誌『山びこ』」『日本歴史』八四六号、二〇一八年一一月)。(注11)通俗道徳は、民衆史研究者の安丸良夫が提唱したもので、勤勉・節倹を自身に内在化させた論理を意味する。世直し一揆などに現れた民衆の解放幻想や人生要求が否定され、近世的共同体の解体と自由主義が展開した明治以降正統的な規範として社会に浸透したとされる(安丸良夫『文明化の経験─近代転換期の日本』岩波書店、二〇〇七年)。一方で、これは貧困を自己責任とする論理にも転じて、人々を競争原理へ駆り立てる「わな」ともなっていた(松沢裕作『生きづらい明治社会─不安と競争の時代』岩波ジュニア新書、二〇一八年、第四章)。(注12)ヴィクトル・ユーゴー作・豊島与志雄訳『レ・ミゼラブル(一)』(一八六二年作。一九一七年翻訳初出。岩波文庫改版、一九八七年)一九七頁。(注13)明治神宮編『明治神宮叢書 第七巻御集編(1)』(国書刊行会、二〇〇三年)四九七頁。(注14)この点は、拙稿「「銃後」の〝あるべき国民〟と植民地台湾の映画利用」(三澤真美恵編・国立台湾歴史博物館出版協力『植民地期台湾の映画─発見されたプロパガンダ・フィルムの研究』東京大学出版会、二〇一七年所収)で論じた。(R3.2.8受理)

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