日本大学生産工学部 研究報告B(文系)第51巻
23/60
─ 21 ─のが続くときもある?」という,いささか驚きも含んだ学習者のコメントを得ることができた。今年度はその他に,「DDL文法学習プリント」の,不可算名詞,受動態,現在完了形をそれぞれ一部抜粋および改変して作成したものをプリント教材として使用し,学習者自身に考えさせたほか,教科書に記載されている事項を確認するための例文としても利用した。3.3 パソコン教室でのSCoRE指導実践3.2節で紹介した実践とは異なる高専4年生(大学1年生に相当)17人を対象としたクラスにおいて,SCoREを利用したhard versionのDDLを行った。当該クラスでは,英語でのプレゼンテーションに主眼を置いた授業を実施している。学習者は各々の興味対象,例えば,めずらしい鉱物,ワイヤレスマウスの機能,マレーシアの料理などについて,パワーポイントを使用して英語でのプレゼンテーションを行ったが,使用する英文には文法的な誤りが散見された。そこで,パソコンが設置されている教室を使用できる機会を利用して,SCoREにアクセスさせ,用意した課題に取り組ませた。また,SCoREを利用する1週間前に事前テスト,利用した1週間後に事後テストを実施し,DDLによる文法指導の効果を確認した。テストはSCoREの教材バンクに掲載されている「DDL実践評価質問紙とテスト」の高校レベルを利用した。事前テストと事後テストの両方に参加した15名のうち,事前テストにおいて,学習対象とした文法項目である「関係代名詞whose」と「仮定法」に正答した学習者は0名であった。その翌週に実施したDDLでは,関係代名詞の学習として,SCoREの「DDL教材バンク」からダウンロードした「DDL文法学習プリント」の「2016 SCoRE Unit 4 Relatives 1(Wordファイル)」を当該クラスの授業に合致させるように変更したものを利用した(図7)。また,仮定法の学習として,同じく「DDL文法学習プリント」から「2016 SCoRE Unit 7 Subjunctive 1(Wordファイル)」と「2016 SCoRE Unit 8 Subjunctive 2(Wordファイル)」から仮定法過去完了を除外し,仮定法過去のみを扱う設問にし,当該クラスの授業内容に合致させるように変更した上で,仮定法用法ではないwishの用法(I wish you Merry Christmas.など)と対比させて違いを考えさせる問題を追加した(図8)。さらに,諸般の事情で追加授業を受けた,参加者の内4名は,関係代名詞および仮定法に取り組んだあとに継続し図8 仮定法のDDLタスク図7 関係詞のDDLタスク
元のページ
../index.html#23