日本大学生産工学部 研究報告B(文系)第51巻
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─ 17 ─た。今回の実践より,適語補充問題に「学生ID」を付けたことによって,教師がテストの実施状況をモニタリングしているとの意識が学生に働き,以前よりも学習に真剣に取り組むなどといった好影響が見られた。最後に学習内容の振り返りとして,「今日の学習でわかったことは,」の欄に内省結果を書かせた。ワークシートは座席の後ろから前に順送りに提出させ,教師は授業後半のWeb語彙学習の間にそれらの点検とスキャンを行い,授業終了前に返却した。90分授業の最後にはまとめとして宿題の指示を出し,図4に一部を示した家庭学習用のDDL文法宿題プリントを配付した。宿題の Task 1には毎回,既習学習範囲の適語補充問題をランダムに3回作成して行うように指示した。その際,英文をより丁寧に観察させるため,出題文の中から「お気に入りの英文」を1文書くように指示した。 Task 2には,自由英作文も含めて部分英作文を10~15問出題した。宿題は翌週に回収して点検し,学習者が理解できていない項目をチェックした。2.2 結果と考察本実践ではCEFR A1レベルの理工系大学生が,高校までに習得すべき基礎文法項目を,SCoRE を活用してDDLの実践手順に従い学習した。実質的な指導実施期間は第4学期の5週間である。指導実践の効果を検証するため,文法知識を測定する事前・事後テストを実施した。さらに質問紙を用いて,参加者からSCoREを活用したDDL実践に関する評価と感想を収集した。2.2.1 学習項目テストの得点に見るDDLの効果事前・事後テストは,SCoREホームページの「DDL教材バンク」の「DDL実践評価質問紙とテスト」に収録されている「DDL基礎文法項目テスト:中学・高校レベル」から,本実践で指導した文法項目に対応した部図3 適語補充問題(wh- to do)の画面例図4 DDL文法宿題プリントの適語補充問題タスク例

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