日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第58巻第1号
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Fig. 4 External appearance of the 1-kW class experimental verification of the proposed system.Table 1 Specifiations of the 1-kW class experimental verification of the proposed system.Fig. 5 Results of charge/discharge experiment from infinite flywheel using planetary gear by controlling ring gear speed.Fig. 6 Results of control shaft power of ring gear.─ 3 ─ている電動発電機回転速度は一定に維持される。これによりエネルギ放出に伴いフライホイール回転速度が時間とともに低下しても,電動発電機回転速度は一定に維持される。よって,電動発電機はパワー半導体による電力変換器なしで50/60Hzの電力系統に直接接続されている。電動発電機をパワー半導体による電力変換器なしで電力系統に接続する方法は二重給電誘導発電機を用いた方式でも可能である。提案方式の利点は電動発電機としてかご形誘導電動機が使用できる点である。二重給電誘導発電機を用いた方式では電動発電機として二次巻線を有する比較的特殊な構造の巻線形誘導電動機が必要である。付帯設備について提案方式と二重給電誘導発電機を用いた方式はともにインバータを介さずに電力系統に接続が可能だが,二重給電誘導発電機を用いた方式では商用周波数の励磁用変圧器が殆どの場合で必要である。二重給電誘導発電機を用いた方式の二次側巻線は提案方式の制御モータに相当する。また,高速応答を実現するには励磁用変圧器の直流偏磁を抑制するなど比較的複雑な制御が必要となる。よって,提案方式の付帯設備に特殊な装置が必要ない点に利点がある。しかし,提案方式は無効電力補償や高調波対策等の能力は無く,電圧維持の過渡応答性は二重給電誘導発電機を用いた方式に劣る。2.2.2 制御モータの実験検証Fig. 2の1kW級の装置を製作し,原理検証を行った。1kW級の装置をFig. 4,主要な定格をTable 1に示す。Fig. 4に示すように1kW級の装置では,フライホイールは円盤ではなく,プログラムで慣性を可変できる外部電源で駆動する電動機を用いてフライホイール模擬装置とした。再生可能エネルギの出力が低下又は発電量が需要を超えた場合に制御モータを使用してフライホイールから取り出すエネルギを一定に保てるか実験を行った。電動発電機が電力系統に直接接続されており,サンギアが無限大慣性フライホイールの状態において,外部から制御モータを用いて遊星歯車機構のリングギアの回転速度を変化させた場合のフライホイール軸と電動発電機の電力をFig. 5に示す。Fig. 5よりリングギアの回転速度制御によりフライホイール側から電動発電機側へ電力の授受が確認できる。また,リングギアの回転方向を逆にした場合も授受の方向が逆となる同様の結果が得られている。これより主たる電力系統にパワー半導体による

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