日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第58巻第1号
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6.10 小田原風鈴(S-10)小田原風鈴(S-10)は,高さが56.8mm,横幅が45.7mmある。厚さは上部,下部いずれも1.47mm であり,縁部が3.53mmである。素材は砂張(青銅)で,密度は8.86g/cm3,ヤング率119.65GPa, ポアソン比0.35である。3DモデルをFig. 30に示す。また,周波数特性をFig. 31に示す。図中のピーク値におけるR値およびS値,そして,両者の誤差をTable 11に示す。これによれば,R値とS値の誤差はいずれのピーク値も2.3%以内に収まっている。さらに振動形状をFig. 32に示す。基本周波数であるピーク(A)と(B)とでは50.2Hz,約2.7倍音であるピーク(D)と(E)とでは21.1Hzの周波数差が見られ,「うなり」が生じている。ピーク(A)は2601.1Hzである。その振動形状は,Peak (A)Peak (B)Peak (D)Peak (E)Fig. 29 Vibration Shapes of S-9Table 10 Peak Value of S-9View from belowFig. 31 Frequency Characteristics of S-10─ 22 ─Side viewView from aboveFig. 30 3D model of S-10形状は,風鈴の下部が縦と横に交互に伸び縮みするような挙動を示す。ピーク(B)は3531.1Hzである。その振動形状は(A)のそれを45度傾けたものになっている。ピーク(D)は9598.7Hzである。その振動は風鈴の下部が外側に膨らむ点が3か所できる形状を描く挙動を示す。(D)と対になるようなピーク(E)は9687.6Hzである。その振動形状は(D)のそれを30度傾けたものになっている。また,ピーク(C)はモード解析では観測できない。

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