日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第58巻第1号
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6.9 小田原風鈴(S-9)小田原風鈴(S-9)は,高さが47.5mm,横幅が41.4mmある。厚さは上部が2.97mm,下部が2.94mm,縁部が3.05mmである。装飾部分の厚さは2点計測して3.02と3.13mmである。素材は砂張(青銅)で,密度は8.86g/cm3,ヤング率119.65GPa,ポアソン比0.35である。3DモデルをFig. 27に示す。また,周波数特性をFig. 28に示す。図中のピーク値におけるR値およびS値,そして,両者の誤差をTable 10に示す。これによれば,R値とS値の誤差はいずれのピーク値も7.6%以内に収まっている。さらに振動形状をFig. 29に示す。基本周波数であるピーク(A)と(B)とでは22.5Hz,約2.5倍音であるピーク(D)と(E)とでは88.9Hzの周波数差が見られ,「うなり」が生じている。ピーク(A)は3508.6Hzである。その振動Peak (A)Peak (B)Peak (E)Peak (F)Fig. 26 Vibration Shapes of S-8Table 9 Peak Value of S-8View from belowFig. 28 Frequency Characteristics of S-9─ 21 ─Side viewView from aboveFig. 27 3D model of S-9ピーク(E)は10314.0Hzである。その振動は風鈴の下部で外側に膨らむ点が3か所できる形状を描く挙動を示す。(E)と対になるようなピーク(F)は10323.0Hzである。その振動形状は(E)のそれを30度傾けたものになっている。また,ピーク(C)および(D)はモード解析では観測できない。

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