M10.510.012.012.0L24.524.033.033.0K95.595.5120.5121.5J3.72.76.25.8I7.76.58.68.1G4.74.96.86.7F1.92.83.73.9をリードしていく立場にあり,二番鉦および三番鉦によく音が聴こえるようにしなければならず,おそらく,3つの鉦の中で一番高い音に調律されているのではないかと考えられる。これら3つの音は,中国の十二律の陰律(六呂)に分類され,それぞれ呂(大呂,南呂,仲呂)がついている。なにか宗教的な意味あるいは関係性があるのかもしれないが定かではない。今後さらに調査する必要がある。早出町の双盤は,音が高い方の甲がやはり断金(十二平均律D#)で調律されているが,音の低い方1.1尺(甲)327.91.1尺(乙)328.01.5尺(甲)456.61.5尺(乙)454.3226.3226.4329.6329.0315.0315.0432.6433.4308.4307.5428.0426.5Fig. 3 Detailed Drawing of Japanese Gongs376.6375.9517.1516.5─ 4 ─101.9102.0130.0129.8ABCDEHunit of length:mm■■■■■■■■■■■■の乙は壱越(十二平均律D)で調律されている。この2音の周波数差は4.9Hzであり,1秒間に約5回の「うなり」が生じている。おそらく,遠州大念仏は屋外で演奏されるため,2音を協和させるより,梵鐘のように「うなり」を生じさせて,音をなるべく遠くへ伝えることが重要であったのではないかと考えられる。また,堂内ではなく屋外で演奏されることによって,宗教儀式的な要素が薄れ,より芸能的な要素が濃くなり,寺院双盤で使われる盤渉と双調の音高を避けた可能性も考えられる。
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