No.1設備・装置使用責任者共同使用者利用状況 有機物やワイドギャップ半導体の伝導帯(またはLUMO),価電子帯(またはHOMO)のエネルギ準位及び,フェルミレベルの評価を行った。特に本年は,光学的には評価しにくい層状物質(TMDC)について検討を行った。 硫化モリブデンは,グラフェンと並んで層状構造を取り,n型半導体である。しかも単結晶は非常に高い電子移動度を持つ。現在多方面で実用化の研究がなされている。当研究グループではスパッタで作製した硫化モリブデンがp型を示すことを検証し,その原因について検討を行った。PYS/IPES/KPのほかXPS, Ramen分光装置を用いて多角的に解析した。また第一原理計算を用いてギャップ内準位の検討を行った。硫化モリブデンの硫黄成分は,あまり結合力が強くないので,製膜過程で生じた欠陥には,容易に酸素が入り込むことがわかった。しかも層間に酸素が入ることで,ファンデルワールス力が弱まり,さらに酸素が入りやすい構造になることも理解された。酸化物半導体In-Sn-Zn-Oのワイドギャップ半導体についてもギャップ内準位の評価を行いトランジスタとの信頼性に深く関与していることを明らかにした。研究成果⑴ 荒井大地,清水耕作“p型二硫化モリブデンTFTのアニール処理による特性改善”第83回応用物理学会学術講演会購入年度平成24年度応用分子化学科 山根 庸平 20a-B203-5(2022)⑵ 玉井隆一,清水耕作“原子状酸素処理による非晶質In-Sn-Zn-O薄膜トランジスタの信頼性評価”第83回応用物理学会学術講演会22a-B202-11(2022)名 称半導体電子物性解析装置光電子収量分光装置 PYS-200+型真空型ケルビンプローブ UHVKP020IPES装置分析チャンバー型 式電気電子工学科 清水 耕作電気電子工学科 新妻 清純─ 46 ─
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