日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第56巻第1号
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注 が2014年の9.0%から2022年の17.4%へと増えており,ひとり席と複数名席に二分化する傾向がみられた。複数名席の利用割合が増えた理由はパーティション設置席からの移動と考えられるが,ひとり席が増えた理由はPC利用によるオンライン授業・課題が増えたことが考えられる。パーティション席の詳細な分析ができれば,2022年におけるひとり席と複数名席の利用についての傾向がもう少し正確に判断できるはずであり,今後の課題としたい。コロナ禍を経て黙食の推奨や授業・課題のオンライン化などにより学生の生活スタイルが変わり,学生の食堂利用に変化が見られた。今回は生産工学部39号館食堂を対象としたが,こうした傾向は日本国内の大学のどの共用空間でも起きうる変化である。感染予防と同時に,友達との交流の場としての共用空間の役割の重要性を示す結果が出たと言えよう。─ 33 ─1) 石津美保,川鍋千夏「生産工学部39号館食堂における場所選択に関する研究」,平成26年度日本大学生産工学部建築工学科卒業論文1) 2014年では目的を「食事」「遊び」「勉強」「PC/スマホ」「睡眠」に分けていたが,2022年の調査では,「食事」「遊び」「勉強」「スマホ」「睡眠」とし,「遊び」にはスマホを含むゲームとおしゃべりを含む。さらにオンライン授業やオンディマンドなどを利用した授業が増えたことから,PCは「勉強」としてカウントしている。2) 2022年に閉鎖されていたJ区画は外した。3) 観察者の記憶に頼る確認作業となったため,パーティションの移動が定かでないものはすべて「あいまい」に分類した。(R 5.2.10受理)4.まとめ参考文献

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