利用である。C・E・I区画は複数名席,A・B・F区画は複数名席にパーティションをつけた席(以下,パーティション席),D・G・H区画注2)はひとり席である。1調査平均利用率の変化の多かった以下の3区画についてみてみる。利用率が大幅に下がったB区画での利用は「勉強」が25.0%から42.3%に増えた。利用率が大幅に上がったG区画は「勉強」での利用が22.8%から62.5%と3倍近くとなっている。一方で「遊び」が69.0%から24.2%に大幅に減った。H区画は2014年では28回の調査で6名の利用しか見られなかったが,2022年では32回の調査中35名の利用があり,その内訳は,「スマホ」15名(42.9%)と勉強11名(31.4%)が主であった。3.4 パーティション区画の利用状況Fig. 6はパーティション席(A・B区画,F区画)のパーティション利用状況を示している。パーティション席ではパーティションを動かして利用している学生が多いとの観察調査が得られたことから,2023年2月にすでに実施したプロット記録をもとにして,パーティション移動の有無の確認作業を行った。「あいまい」との判定があるのは,パーティションの使用状況が判断できなかったことによる注3)。B区画では2名以上の利用がある場合はほとんどパーティションを外して利用していた。合計では利用者の47.3%がパーティションを外して利用している。F区画は簡単にパーティションを移動できることから,半数以上の55.6%が外して利用している。Fig. 7は2014年と2022年の利用目的別に見た区画別利用者数の割合を表しており,上2つのグラフはそれぞれ2014年と2022年の「区画別の座席数の割合(以下,座席割合)」と「区画別の利用者数の割合(以下,利用割合)」である。─ 32 ─上2つのグラフを見ると,2022年のパーティション席の座席割合が69.5%と多いにもかかわらず,利用割合は51.8%にとどまっている。また,2014年のパーティション席の座席割合58.5%に対し,利用割合は63.9%であった。これらを鑑みると,コロナ以前に一番利用されていた区画がパーティション設置で利用されない区画になってしまっていることが分かる。特にB区画の利用割合は,2014年の45.3%から2022年の28.7%へ大幅に減少しており,学生が本来利用したい環境が減少していることが分かる。目的別にみると,「食事」目的の席利用は,ひとり席のH区画と複数名で座るE・I区画の利用割合が増えている。特に,複数名席の利用割合は11.5%から32.8%に増えており,コロナ禍を経ても食事は友達と一緒に食べたいということが分かる。一方でコロナ禍の中で黙食が推進されたこともあり,一人で食事をする学生も若干増えている。「勉強」については,複数名席の利用割合が2014年の29.5%から2022年の37.9%へ,ひとり席Fig. 6 Partition usage of Partitioned seats (Area A, B, and F)Fig. 7 Percentage of users by parcel by purpose of use in 2014 and 2022
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