日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第56巻第1号
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に示す。3.1 区画別平均利用率Fig. 3は2014年と2022年の区画別1調査平均利用率を示す。区画別1調査平均利用率とは,14日間の調査の区画利用合計数から,各区画の1調査における平均利用席数を算出し,それを該当区画の座席数で割ったものである。B区画の利用率が25.1%から7.5%へと大幅に下がったのは,事前調査でパーティションの圧迫感があるなどのネガティブ意見が多かったことから,パーティションの設置が利用率激減の大きな理由になったと考えられる。同時に,母数となる席数が164席から318席へとほぼ2倍に増えたことで相対的に利用割合が減った影響もあるであろう。一方,窓に向かって座るひとり席のG区画の利用率が17.9%から41.6%と大幅に増えている。コロナ禍を経て,ひとり席利用が増えたことと,窓からの景色を楽しみながら時間を過ごせること,コンセントが壁際に多いことなどがその理由と考えられる。また,H区画も2.0%から13.6%へと利用率が上がっている。明確な理由は分からないが,ひとり席であることと,出入り口やエレベーターから近いことから,ちょっとした待ち時間などでの利用が考えられる。3.2 目的別利用率Fig. 4は2014年と2022年の目的別利用割合である。「勉強」が26.0%から48.6%へ大幅に増えている。その理由として,2014年ではPCをスマホと同─ 31 ─じ目的としてカウントしていたものを2022年にはPCを勉強にカウントすることに変更したことも若干影響していると考えられるが,コロナ以降,課題や授業がオンライン化しており,PCがないと勉強ができない状況であることから,実際に勉強の割合が増えていると考えてよいと考える。2014年は「その他」の割合も多いが,読書や会話(おしゃべり)がその中に含まれていた。2022年は会話を「遊び」に加えてカウントしている。本来であればその分「遊び」が増えるはずであるが,実際は2.1%減少している。そうしたことからも2022年は勉強目的での利用が増えていることが分かる。3.3 2014年と2022年の区画別に見た目的別利用Fig. 5は2014年と2022年の区画別に見た目的別Fig. 3  Average Utilization per Survey by Area in 2014 (n=2488) and 2022 (n=3587)Fig. 4  Percentage of Use by Purpose in 2014 (n=2488) and 2022 (n=3587)Fig. 5 Purpose Use Ratio by Area in 2014 and 20223.調査結果

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