*日本大学生産工学部建築工学科 准教授 **日本大学生産工学部建築工学科 学部4年***日本大学生産工学部建築工学科 学部4年─ 29 ─堂を対象とし,調査で使用する区画分けは2014年度と同じA-J区画とする。Table 1は各区画の概要,Fig. 1は食堂の平面図とA-J区画を示す。2014年,2020年共にC・E・I区画は複数名利用に適した席で,D・G区画はカウンター式のひとり席である。コロナ前2014年とコロナ後2022年の間で変更のあった区画は,2014年に屋外空間として使用されていたが2022年には使用できない状況となっている中庭のJ区画と,2人席からひとり席となったH区画,そして飛沫防止のパーティションがついたA・B区画・F区画・G区画である。A・B区画はテーブルを席数に合わせて6か所に分断する半透明のプラスチック段ボール素材パーティションが設置され,F区画はテーブルの真ん中に席を二分する同素材のパーティションが設置された。G区画にも席の両脇に同素材のパーティションが設置されたが,もともとひとり席であり,場所選択や利用目的に大きな影響を与えるものではないことから,本調査では2014年と同等の席であるとみなす。Fig. 2はA・B区画・F区画のパーティション設置の平・立面図である。日本大学生産工学部研究報告A2023年 6 月 第 56 巻 第 1 号Keywords: University Cafeteria, Public Space, COVID-19, Area Selection, PartitionA Case Study of the Cafeteria in Building No. 39, College of Industrial Technology資 料2.調査概要1.序論Yasuko KAMEI*, Nodoka NARUMI**, and Manaka TAMATSUKURI***生産工学部39号館食堂の事例亀井靖子*,成海のどか**,玉造愛華***Usage of the University Cafeteria Before and After the COVID-19 Infection大学食堂は,学生にとって大学生活を営む上で重要な共用空間のひとつである。食事をとる目的だけでなく,友達と交流する,課題に取り組む,ひとりの時間を過ごすなど,多岐にわたる目的に使用される。特に研究室のない低学年にとっては,図書館や学生ラウンジなどと同等に,大学で時間を過ごすには欠かせない空間となっている。そこで本研究では,日本大学生産工学部津田沼キャンパス39号館2階食堂を対象に,学生の食堂利用状況をプロット調査で明らかにする。コロナ前の2014年に実施した調査文1)をもとに,コロナ後の2022年にも同様の調査を実施し,コロナ前後における大学食堂利用の変化を明らかにし,学生が大学の共用空間に求める普遍的な役割と今後必要となってくる役割を把握する。2.1 調査対象日本大学生産工学部津田沼校舎39号館2階の食コロナ前後の大学食堂利用に関する研究
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