■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■■■ ■■■■■■ ■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■ ■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■ ■■ ■■■■■■ ■ ■■■■■■■■■■■異常判定,異物判定,混入等のチェックを可能とするものである。一例として2種類の顆粒製剤A,BのNIR波形データをFig. 1に示す。含有成分の相違により吸収が異なるため,顆粒Aと顆粒Bの吸収波形の差を利用した識別が可能で,これらを利用することで簡易的な品質管理や検査の手法としての応用が考えられる。また横軸の4,100(cm−1)〜6,500(cm−1)は近赤外の波長の波数で,縦軸は吸光度を示す反射率である。ただしFig. 1以降の全ての図の波形は原波形を2次微分処理しているため,原波形の吸光度とは異なる(無次元であるために全ての図中の縦軸は無単位)。日本国内で一般的に使用されている医療用漢方処方は148処方あり,多くが顆粒や細粒として製造されている。前述したように外見では区別がつかないものが殆どであり,簡易的な識別法として近赤外分光分析法が適用されているが,いくつかの処方同士では波形の識別が困難であるケースがみられる。ここでは識別が困難な2処方(顆粒製剤BとC)を取り上げ,一方の処方を基準とした場合の他処方の波形の識別をRT法により行った。なお分析は,BUCHI社製近赤外分析計NIRFlex N-500,波形解析ソフトウェア:NIRWare 1.6.6000およびNIRCal 5.6.6000を使用し,各製剤について4,100(cm−1)〜6,492(cm−1)の波長を4(cm−1)間隔でサンプリングし,500ポイントのデータを使用した。品質管理や検査を行う場合,Fig. 1のような製品が持つ固有の情報である波形を,視覚だけでなく定量的な数値で捉えることが望ましい。そこで,波形─ 13 ─データを多変量データとして捉えて数値化するプロセスが必要になる。品質工学における多変量データの解析は,マハラノビス−タグチ(Mahalanobis-Taguchi,以下MTと称する)システムとしていくつかの手法があるが,基準とする均一なデータ群を基準単位量である単位空間として設置し,基準に属さない対象のパターン距離をマハラノビスの距離D(以降距離Dと記す)として求めるものである。距離Dを求めて識別する方法に従来法として判別分析があり,基準群とそれ以外の群という群同士の関係を求め,その場合の群同士の関係は対称的である。ところが品質工学のMTシステムでは,合格品としての基準群を用意するが,基準に属さないデータは群を形成させずにn=1ごとに求めるというように,基準群対被検出対象というように非対称な関係をとり,この点が従来の判別関数と比べてデータの構造が異なる。ここでは,MTシステムの中のRT法を用いる。RT法は項目数kがどれほど多くても2項目にまとめてしまう方法で,k項目のデータを感度βとSN比ηの2項目に圧縮して,その2項目で距離Dを求めて波形形状の数値化を行うものである。RT法では基準とするデータ群のk項目の元データについて,項目ごとにその平均値m1,m2,〜,mkと,平均データを基準とした線形式Lを求め,平均で1となる感度βを項目Y1,k項目のばらつきをSN比ηとし,1/ η=Y2としてY1とY2の2変量に縮約して距離Dを求める。項目数kが2以上であればいくつあっても常にY1とY2の2項目の解析となるため,基本的に項目数の制約を受けにくい。ここではTable 1に項目とデータの関係を示した。また基準とするnデータの条件であるが,(1)なるべく均一であること,(2)k=2の分散・共分散行列の解析を満たすデータ数であること,の2つの条件を満たす必要があり,ここではn=10としている。なお(1)の均一性が高い場合,距離を求める対象となる基準外データの識別感度は上がり,均一性が高くない場合は識別感度が低下するが,n個の単位空間データはばらつきの単位量の基準となるため,このステップのデータの性質で解析結果が変化してしまう。ここでk=500の4,100(cm−1)から6,500(cm−1)未満のデータと項目への割り当てであるが,n=10のうちの1番目のデータで説明をする。4,100(cm − 1)を項目1としてx1.1とし,4(cm−1)ごとにプロットを行うので,項目2は4,104(cm−1)のデータ ■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■Fig. 1 NIR waveform of granule formulation A and granule formulation B4.使用した試料および分析方法5.品質工学の方法による解析方法(RT法)
元のページ ../index.html#15