Fig. 11 Relationship between Nu of underexpanded jet and Re.Fig. 12 Relationship between Nu of expanded jet and Re.は約20℃から50℃である。上式を用いて算出したNuとReの相関をFig. 11及びFig. 12に示す。なお,Fig. 11はh−1を用いて算出した不足膨張噴流におけるNu1,Fig. 12はh−2を用い,膨張噴流として求めたNu2である。Fig. 11及びFig. 12より,Re<105におけるNuはH/dの変化に依らず,Reの増大に伴って同様の傾向で大きくなる。また,Fig. 11より,膨張の影響を無視した場合において,Re>105でもNu1はH/dの変化に依らず同様の傾向で増大することが判った。一方で,Fig. 12に示す膨張を考慮した場合については,Re>105ではH/d=0.5と1.0ではReの増大に対するNu2の増大傾向に違いが見られた。H/d=0.5ではRe<105と比較してReに対するNu2の増加率がより大きくなったが,H/d=1.0ではRe<105と比較してNu2の増加率は小さくなった。本実験系において,Re=1.0×105は圧力比P/Pa=3.1に相当する。すなわち,H/d=0.5の狭小空間における衝突噴流による空冷では,Reを105以上にして運用することで,より効果的に冷却することが可能であると考えられる。狭小空間における不足膨張噴流を利用した空冷システムの伝熱特性を実験的に検討した。噴流温度を直接計測し,伝熱面衝突後の膨張による噴流温度変化を定量的に求めた。そして,取得した噴流温度を用いて平均熱伝達率を算出した結果,P/Paの増大に伴って平均熱伝達率が向上することを見出した。また,伝熱面上の平均熱伝達率に対する噴流の断熱膨張による影響はH/d=1.0が0.5と比較して大きいことが判明した。算出したNuとReの相関より,Re≧105の場合,H/d=0.5におけるNuの増加率はH/d=1.0の場合と比較して大きいため,H/dを小さくすることでP/Paの増大による伝熱性能向上をより効果的に得られる可能性がある。なお,本研究ではCPUサイズの伝熱面を用いて伝熱特性を取得したが,普及している多くの電子機器に適用するためには様々な大きさの伝熱面における伝熱特性を調べる必要がある。1) H. Martin.: Heat and Mass Transfer between Impinging Gas Jets and Solid Surface. Int. J. Heat Mass Transf., 13 (1977), 1-60.2) 一宮浩市,松本弘,奥村賢:感温液晶による乱流環状衝突噴流の局所熱伝達特性の測定.日本機械学会論文集(B編),62,599(1996),197-204.3) 一宮浩市,竹間勝一,森本俊一,功刀資彰,秋野詔夫:単一円形衝突噴流熱伝達の移行に関する研究.日本機械学会論文集(B編),64,625(1998),210-215.4) 社河内敏彦,鬼頭みずき,津田真彰,辻本公一,安藤俊剛:切欠きオリフィス衝突噴流の流動・伝熱特性.日本機械学会論文集(B編),76,772(2010),241-247.5) M. Rahimi, I. Owen and J. Mistry.: Impingement Heat Transfer in an Under-expanded Axisymmetric Air Jet. Int. J. Heat Mass Transf., 46 (2003), 263-272.6) 大塚貴仁,稲村栄次郎,遠藤正樹,日本機械学会関東支部第18回総会講演会講演論文集,119(2012),159-160.7) R. J. Goldstein, A. I. Behbahani and K. K. Heppelmann.: Streamwise Distribution of The Recovery Factor and The Local Heat Transfer Coefficient to an Impinging Circular Air Jet. Int. J. Heat Mass Transf., 29, 8 (1986), 1227-1235.8) A. K. Mohanty and A. A. Tawfek.: Heat Transfer due to a Round Jet Impinging Normal to a Flat Surface. Int. J. Heat Mass Transf., 36, 6 (1993), 1639-1647.─ 6 ─4.結言References
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