生産工学部研究報告A(理工系)第55巻第1号
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sp2 Carbon Atom in a Covalent Bond, J. Org. Chem., 86(15), 2021, 10414-10419.⑵ H. Ichikawa, H. Takashima, S. Shimizu, “Claisen Rearrangement of 4-Allyloxy-1-p-methoxy benzylpyrazole and Synthesis of Pyrazole-Fused 7-Membered Lactones”, Heterocycles, 103(2), 2021, 980-9940.⑶ Yumio Igarashi, Yusuke Okada, Shouta Watabiki, Yuma Sakaguchi, Satoru Yoshino, Keiichi Sakamoto, Masahiro Suzuki, Nagao Kobayashi, Electronic strucrures of zinc octaalkylthio- and octaphenylthio-tetrapyrapyrazinoporphyrazines, and comparison with those of phthalocyanines and pyrazinoporphyrazines, Journal of Porphyrins and Phthalocyanines 2021, 1078-1085 (2021).名 称分子設計支援装置(デジタルNMR AVANCEⅢ500)型 式デジタルNMR AVANCEⅢ500応用分子化学科  藤井孝宜応用分子化学科  岡田昌樹応用分子化学科  柏田 歩応用分子化学科  清水正一─ 30 ─No.1設備・装置使用責任者共同使用者令和3年度利用状況 令和3年度の測定回数は,4,167件である。使用者は,教員,大学院生合わせて18名で,毎日平均20件の試料の測定が行われており,数多くの大学院生および教員によってほぼ終日使用され,分子構造解析に役立てられている。 藤井らは,フリーなイミノ基を有する非対称カルボンの反応性について検討し,得られた生成物の構造を本装置で明らかにした。岡田らは化学反応場としてのプラズマ場の利用について検討しており,反応過程に関する知見の獲得に向けてNMRの活用を試みている。柏田らは,細胞内環境における弱酸性条件下での極性変化を駆動力とした薬物担体からの薬物放出に寄与するヒスチジン誘導体ならびにペプチド誘導体合成の確認に本装置を利用した。清水らは,MOFsのような超分子磁性構造体の開発のためのビルディングブロックとしてビスピロガロールアレーンに着目しているが,この化合物の合成法については現在報告されていない。そこで前年度に引き続き,ビスピロガロールアレーンの合成経路を確立する目的で,その経路中の各反応における生成物の同定に本装置を利用した。津野らは,カルボン酸およびエステルのカルボニルsp2炭素C’が,その炭素に結合する二つの(O, O’)及びα炭素O(O’)C’Caで構成される二面角が,β炭素の配置を示すCβCaC’=O回転角との間にホモキラリティーの相関性があることを見出した。市川らは,ピラゾールの4位にアリルオキシ基が置換した化合物のClaisen転位が5位で選択的に進行することを見出し,さらにパラジウム触媒存在下,水素/一酸化炭素によるヒドロラクトン化を経て,選択的に7員環ラクトンへと変換できることがわかった。坂本らは,分子設計したフタロシアニン化合物を合成し,これを用いて合成を確認するとともに物性を測定した。研究成果⑴ Henri Brunner, Masahiro Ikeshita, and Takashi Tsuno, Chirality of the Conformation Attacks the Planarity of the 購入年度平成23年度応用分子化学科  津野 孝応用分子化学科  市川隼人環境安全工学科  坂本恵一

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