1γ+1γ0.5■■0=, ■■0粘性土:γ0.5=0.18% hmax=17%粘性土:γ0.5=0.10% hmax=21%ここに,■■0γ:せん断歪み(%)h:減衰定数(%)Fig. 6に(5)式より求めた地盤の非線形特性,Fig. 7に地震波の増幅の概念図,Fig. 8に地盤増幅率と周期との関係を示す。なおFig. 8中には地盤調査位置に対応する観測建物のNS方向の1次固有周期(Table 1参照)を示している。Fig. 8 Site Amplificationなお一次固有周期は,S波速度の評価方法の違いにより0.11s〜0.21s,調査位置の違いにより0.09s〜0.21sの差違であった。3.1.3 地盤の地震増幅率の検討次に表層地盤の増幅特性を把握するため,地盤モデル14)を作成し,建築基準法の基づく表層地盤による加速度の増幅率Gsを求めた。なお本報告では,土の非線形性は,文献15)を参考に求めた。地盤の非線形特性推定に用いた式を以下に示す。■=■:せん断剛性比Fig. 8より,3ケ所の表層地盤の増幅率は周期が約0.1sから約1.0sで全体的に増幅しており,その各地盤の増幅率Gsは約1.2から約1.7で分布している。また,各地盤の増幅率のグラフは2つの山がある形状は同じであるが,その増幅率の値と周期帯は若干異なっている。Fig. 7 Reference Drawing Calculate Site AmplificationNo. 1(5号館)では周期が約0.5sから0.8sにGsのピークがあるが,No. 2(39号館)では,周期約0.2sから0.4sにピークがありGsの最大値もNo. 1に比べて小さい。一方No. 3(37号館)は,約0.2sから0.4s間と約0.7sから1.0s間にピークがあり,その値はNo. 1と同程度の値になっている。またそれぞれの建物の一次固有周期は,地盤の増幅率の比較的大きい周期帯と一致していることがわかる。以上のことから,キャンパス内の地盤は第2種地盤に分類され,調査位置での顕著な差異が認められなかったが,地盤の増幅特性に若干の違いが認められることがわかった。(5)なおFree-Fieldの地盤の性状は,最も近い位置にNo. 1(5号館)の結果が参考になるものと考えられる。建物4棟および自由地盤上の計5ケ所で強震観測を開始した2014年8月末から2020年7月までの間に観測されている強震観測記録のうち,設置した全ての強震計で記録が得られていたのは,計4回であった。その4回の地震の概要をTable 3に示す。対象となる地震は小笠原西方沖,茨城県南部,千葉県北西部を震源とする地震である16)。小笠原諸島西方沖を震源とする地震は,マグニチュードM8.1,震源深さ682km,最大震度は5強で,震源距離が875kmである。この地震は,規模は大きいが震源が深く距離も離れている。─ 53 ─■■■1=Fig. 6 Nonlinear Property4.地震概要
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