・5号館(Fig. 2 (b))5号館はRC造地上4階建てで,キャンパス北側に位置する建物である。使用している強震計はSMAC-MDU型強震計で,1階階段下,2階のエレベーター奥のパイプスペース,屋上の計3ケ所に設置している。・37号館(Fig. 2 (c))37号館は鉄骨造(S造)の地上8階建てで,キャンパス南側に位置する建物である。37号館では2007年にK-NET95型強震計を1階,4階の西側,8階の東側西側の計4ケ所に設置している。また2013年にSMAC-MDU型強震計を1階,4階,8階東側パイプスペースの計3ケ所,SMAC-MD型強震計を8階の東側倉庫と西側トイレ内パイプスペースの計2ケ所に設置している。・39号館(Fig. 2 (d))39号館はS造の地上6階建てで,キャンパス西側に位置する建物である。使用している強震計はLU201,SU201型強震計であり,1階,3階,6階の計3ケ所に設置されていている。・Free-Field(Fig. 2 (e))Free-Fieldは,周辺構造物による影響が極めて少ないと推定されるキャンパス北側,5号館から北北東約60mに位置している。強震計はK-net95型を使用し,製作したコンクリート基礎上に設置している。2.2 地盤概要キャンパス内の地盤構成を確認するため,5号館,39号館,37号館の建設時に行われたボーリング調査結果を収集した。Fig. 3に得られた地盤(Fig. 1のNo. 1からNo. 3)のボーリング柱状図を示す。なおFree-Field位置で地盤調査は行われていない。本キャンパスは千葉県北西部の下総台地上に位置し,下総台地の地質は第四紀更新世に堆積した新期ローム層・下総層群上部層などからなる。下総層群上部層は,常総粘土層,姉崎層,木下層に細分され,当該地では木下層が分布するものと考えられる9)。Fig. 3より,キャンパス内の地盤の表層にはローム層が約0.5m程度から約4.0m程度で分布し,以深は砂質土層からなっている。砂質土層一部には,約1.0m程度の粘土層の介在が認められる。地盤ごとでは,No. 1とNo. 2は表層から約20m程度までN値が50以下であり,以深ではN値が50となっている。一方,No. 3は全体的にN値が30以下となり,深度が約40m程度でN値が50となっている。このようにキャンパスは南北に細長いため,表層地盤の層厚が異なり,地盤の振動特性にも差異があるものと考えられる。3.1 地盤の振動特性の検討ここでは,前節の地盤調査資料を基に,地盤の振動特性について検討を行った。3.1.1 S波速度の推定収集したボーリング調査結果では,PS検層等が行わFig. 3 Boring Logs─ 51 ─3.地盤の振動特性
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