概 要─ 33 ─日本では,現在高さ100m以上の超高屈ビルが700棟以上ある。竣工当初は時代の最先端だった超高屈ビルも30~40年も過ぎれば機能・性能は陳腐化し,近年,大地震時の長周期地震動が高層ビルでは問題となることがわかってきた。補強・リニューアルには限界があり,今後,超高層建物の建替が増加してくると予想されている。2012~2013年,東京の赤坂プリンスホテル新館(地上39階・塔屋1階・地下2階,高さ138.9m)が解体され,日本では,テレビや新聞で大きく取り上げられ,広く一般市民や国際社会の興味を引くことになった。高さ100mを超える超高層ビルの解体は,従来の解体工法では,解決しなければいけない問題が山積している。超高層ビルは,都市部に立地し,解体工事上の制約条件が多い。上空の風は地上の数倍にもなり,仮設足場や養生材の設骰・撤去が高所危険作業となることに加え,粉じんの広範囲への飛散,解体部材の飛来落下の危険性,騒音・振動の伝播などに,配慇しなければならなく,解決すべき課題多岐にわたる。日本における5大ゼネコン各社は,超高層ビルの解体を,様々な技術開発を経て提案,先導的に手がけてきた。本資料は,各社が,日本建設業連合会において,超高層ビルの解体に関して公開した資料,ホームページでの公開情報に基づき,鹿島建設「鹿島カットアンドダウン工法」,大成建設「テコレップシステム」,清水建設「シミズ・リバース・コンストラクション工法」,大林組「キューブカット工法」,竹中工務店「竹中ハットダウン工法」の概要を紹介したものである。日本における超高層ビルの解体湯浅 昇
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