日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第54巻第1号
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─ 18 ─4.1 モデル1による分析結果Table 3に17業種の目的関数Iioの値を示す。17業種の平均値は0.97,範囲は0.22となる。11業種でIioが1.0を示しており,多くの業種で特徴ある改善プロジェクトを行っていることがわかる。Table 4に業種別改善プロジェクト別の重みづけ係数Iμjの一覧を示す。数値が付与されている改善プロジェクトは,相対的に対象業種において力を入れている取り組みである。表側の17業種を,数値が付与されているプロジェクト数で分類すると,5種類のプロジェクトに数値が付与されているのが2業種,以下,4種類が0業種,3種類が3業種,2種類が5業種,1種類7業種となる。これより,多くの業種が少数のプロジェクトで特徴を見出していることがわかる。また表頭の7改善プロジェクトを,数値が付与されている業種数で分類すると,X1が4業種,X2が2業種,X3が11業種,X4が7業種,X5が3業種,X6が0業種,X7が9業種となる。これより,「X3:ルート変更や物流拠点集約等輸送距離の短縮」と「X4:積載効率を高める為の梱包材・包装材の工夫」が業種間で共通した活動であることがわかる。この2種類は,サプライチェーンの既存オペレーションの改善となる。従来の改善活動と同様,現場での取り組みが環境視点でも主流であることがわかる。また,X7:その他も多くの業種で数値が付与されている。これより,各業種で特徴ある取り組みを行っている可能性が読み取れる。4.2 モデル2による分析結果Table 5に17業種の目的関数値Dioの値を示す。17業種の平均値は0.85,範囲は0.38となる。2業種のみでDioが1.0であることから,多くの業種で公表活動の取り組みが途上であることがわかる。Table 6に業種別公表活動別の重みづけ係数Dμkの一覧を示す。数値の付与されている公表活動は,相対的に対象業種において力を入れている取組みであることを示す。表側からみると,17業種全てにおいて数値が付与されているプロジェクト数が1種類である。また,表頭からみると,Y1が4業種,Y2が13業種,Y3が0業種で数値が付与される。Y2は「工場からの輸送,配送に伴うCO2排出量の公表」である。サプライチェーンの中でも比較的成熟した動脈物流で,顧客にも近いプロセスであることから,多くの業種がこの機能で公表活動に取り組むことは,企業行動として妥当といえる。Y1は「工場までの輸送,配送に伴うCO2排出量の公表」である。数値が付与されている業種は3)パルプ・紙,5)医薬品,6)石油,8)窯業である。「工場までの輸送,配送」(Y1)と「工場からの輸送,配送」(Y2)を比べると同等もしくは前者の公表活動が進んでいることが共通点として挙げられる。Table 3 The value of projects’ implementation state (Iio) 1) 2) 3) 4) 5)0.981.001.000.911.00 6) 7) 8) 9)10)1.001.000.781.000.9511)12)13)14)15)0.980.971.001.001.0016)17)1.001.00※表側,表頭の番号は第3章を参照Table 4 A weighting coecient for each project (Iμj)業種X1X2X3X4X5X6X71)2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)15)16)17)4.22×10−1−−−−−−−1.00−−−2.50×10−1−−−1.00−−−−1.00−−−−−1.00−−−−−−2.21×10−1−−1.00−−1.001.00−6.13×10−13.77×10−155.74×10−13.50×10−12.00×10−15.55×10−161.00−3.30×10−21.00−−−−−−−3.23×10−1−3.61×10−12.00×10−11.91×10−171.00−−3.17×10−1−−−−2.00×10−1−−−−−−5.00×10−2−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2.38×10−11.94×10−161.4−1.11×10−161.20−−−2.58×10−1−2.62×10−14.50×10−11.20−−−※表側,表頭の番号・記号は第3章を参照Table 5 The value of disclosure state (Dio) 1) 2) 3) 4) 5)0.820.630.880.820.88 6) 7) 8) 9)10)1.000.880.750.850.7611)12)13)14)15)0.860.820.940.880.7516)17)0.931.00※表側,表頭の番号・記号は第3章を参照

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