日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第53巻第1号
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─ 39 ─される白を表すピクセルと9個の黒ピクセルと7個の白ピクセルから構成される黒を表すピクセルをシェア画像で用いるように変更している(Table5)。また,提案手法2では,シェア画像の黒ピクセルを表現するピクセルパターンを重ね合わせたときに復元画像で白ピクセルになる組み合わせを共通にすることにより,Caoらの手法が復元画像を明るくするために行っていたように復元画像を明るくすることが可能となる。さらに,復元画像を明るくするために復元画像の黒ピクセルを表現するピクセルパターンを16個の黒ピクセルから構成されるピクセルパターンから4個の白ピクセルと12個の黒ピクセルから構成されるピクセルパターンにし,復元画像も中間の濃淡差を用いて表現している。4.評価Caoらの手法で作成した復元画像のQRコード,Fig. 10のQRコードに提案手法1,提案手法2を適用して生成したシェア画像と復元した秘密画像のQRコードを株式会社デンソーウェーブが公式でリリースしているアプリケーション クルクル8),LINE株式会社がリリースしているアプリケーションLINE9),Twitter株式会社がリリースしているアプリケーションTwitter10),Apple製品に標準でインストールされているアプリケーション カメラ11),Google LLCがリリースしているアプリケーションChrome12)の5種のQRコードリーダーで読み取り,提案手法のQRコードの読み取り精度の評価を行った(Table6)。評価方法は,iPhone8を用いて各アプリケーションで10回ずつ読み取りを行い何回読み取ることに成功したのかで判断した。1回の読み取り時間は30秒未満とし,30秒以上かかった場合は失敗とする。Fig. 11-13は,実際にFig. 10のQRコードに提案手法1を適用したシェア画像と復元画像である。Fig. 14-16は,実際にFig. 10のQRコードに提案手法2を適用したシェア画像と復元画像である。Caoらの手法,提案手法1,提案手法2のシェア画像,および復元画像のQRコードを実際にQRコードリーダーで読み込んでみた結果,Q, LINE, Chrome, Twitter, Apple標準の5種すべてのQRコードリーダーで,どの手法でもQRコードを読み取ることに成功した。しかし,LINE, Chrome, Twitter, Apple標準の4種のQRコードリーダーでは,提案手法1では読み取ることができない場合があった。また,QRコードを読み取る際にQRコードが置かれている場所の色が黒色である方がシェア画像と復元画像のQRコードの濃淡差の認識しやすいことがわかった。提案手法1とCaoらの手法を比べてみると,Qでは同じ精度で読み取ることができたが,シェア画像と復元画像が暗いため,他のQRコードリーダーでは少し低い読み取り精度になってしまった。提案手法2とCaoらの手法を比べてみると,Q, LINE, Chrome, Twitter, Apple標準の5種すべてのQRコードリーダーで,Caoらの手法と同じ読み取り精度であった。提案手法2のシェアのQRコードでは,QRコードの濃Table 4 Combination of shares of proposed scheme 1Table 5 Combination of shares of proposed scheme 2Fig. 10 Original QR codes

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