─ 36 ─-VSSS)の場合,秘密画像データの1ピクセルを4分割し,シェア画像は2個の黒ピクセルと2個の白ピクセルから構成されるピクセルパターンになり,白いピクセルと黒いピクセルがランダムに配置された砂嵐画像となる。シェア画像を重ねたときにOR演算により,秘密画像データの元ピクセルが黒であったら4個の黒ピクセルになり,白であったら3個の黒ピクセルと1個の白ピクセルになるようにシェア画像を定めて濃淡差を表現している(Table1)。(2, 2)しきい値視覚復号型秘密分散法の例をFig.1-3に示す。一方,Atenieseら5)が提案した(k, k)しきい値拡張視覚復号型秘密分散法((k, k)-EVSSS)は,n枚のシェアに載せる画像と1枚の秘密画像をピクセル単位で処理を行う。各ピクセルは,入力されたn+1個のピクセル値から,n枚の画像に対応するm個の黒または白のピクセルパターンから構成されるシェアn個に変換される。この白と黒のピクセルの割合によって,ピクセルの濃淡が実現される。このときのピクセルパターンを構成するピクセルの個数mをピクセル拡大と呼ぶ。n=2,m=4の場合,シェア画像を重ねたときにOR演算により,秘密画像データの元ピクセルが黒であったら4個の黒ピクセルになり,白であったら3個の黒ピクセルと1個の白ピクセルになることは視覚復号型秘密分散法と同じであるが,シェア画像において,シェア画像に載せる画像データの元ピクセルが黒であったら3個の黒ピクセルと1個の白ピクセルになり,白であったら2個の黒ピクセルと2個の白ピクセルになるようにシェア画像のピクセルを定めている(Table2)。これにより,シェア画像にも中間の濃淡差を用いて,黒ピクセルと白ピクセルを表現することができる。Fig.4-6に(2, 2)しきい値拡張視覚復号型秘密分散法の例を示す。2.3 QRコードQRコードには,生成するQRコードを構成している四角い黒白の点であるセル数によって,バージョン1(21セル×21セル)から40(177セル×177セル)まで存在する。バージョンが高くなると縦横それぞれ4セルずつ増えていき,QRコードに埋め込める文字数が多くなる。また,QRコードにはそれぞれのバージョンに4個の誤り訂正能力のレベルがある。誤り訂正能力とは,QRコードの汚れなどによるノイズによって読み取りでTable 1 Example of (2, 2)-VSSS share combinationFig. 1 (2, 2)-VSSS (share 1)Fig. 2 (2, 2)-VSSS (share 2)Fig. 3 (2, 2)-VSSS (recovered image)Table 2 Example of (2, 2)-EVSSS share combination
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