日本大学生産工学部 生産工学部研究報告A51-2
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─ 31 ─疲労寿命が大幅に低下することが明らかとなった。7.路面の凹凸に関する橋梁点検および維持管理7.1 国土交通省橋梁定期点検要領17)橋梁定期点検要領における路面の凹凸は,大型車両の走行により衝撃力を増加する要因となる路面に生じた橋軸方向の凹凸の段差である。とくに,橋梁の入り口付近および出口付近の道路と橋梁の取り付け部の段差や伸縮継手の段差によって発生する衝撃力を受け,床版には損傷が生じている。ここで,路面の凹凸の状況をFig.11に示す。また,路面の凹凸に関する点検要領をTable4に示す。橋梁定期点検要領における路面の凹凸における損傷区分はTable4に示すように橋軸方向の凹凸が生じており,段差量は20mm以下の損傷はcと判定される。また,軸方向の段差が20mm以上の損傷はeと判定される。しかし,地方公共団体が管理する道路橋においては,Fig.11(1)に示すようは道路と橋梁の段差が20mmを超える橋梁も多く存在し,橋梁側については道路橋長寿命化修繕計画18)の中で修繕が実施される。道路側については道路橋長寿命化修繕計画19)では考慮されていないのが現状である。7.2 振動荷重が作用した場合の維持管理道路橋RC床版の伸縮継手の段差量20mmを許容する場合は,以下の対策が必要となる。(1)日常点検における補修作業日常点検における修繕方法についてFig.12(1)に示す。一般的に伸縮継手の段差は,橋梁点検要領に示す道路側の段差(Fig.11(1))は,日常点検の過程で修繕する必要がある。また,伸縮継手装置20)の段差や砂利等の侵入に対しては,段差量を20mm以下に抑える必要がある。橋梁側の路面の凹凸については,道路橋長寿命化修繕計画の中で修繕を進める必要があると考えある。Fig.12 Maintenance control on unevenness of road surface(2)埋設型伸縮継手装置の一例維持管理計画における補修法についてはFig.12(2)に示す対策が検討される。まず,段差の生じている伸縮継手装置の交換については,埋設型伸縮継手21)(以下,埋設ジョイント)には,ゴム製のジョイントと弾性体のバインダーが採用されている。埋設型ジョイントの特徴は,弾性体のバインダーを用いることから,輪荷重の衝撃を吸収し,走行性,防水性,施工性に優れている。とくに,輪荷重の荷重変動を吸収することから,RC床版への荷重変動を減少し,これに伴って騒音も軽減されている。よって,道路橋RC床版の橋梁長寿命化に応える工法である。ここで,埋設ジョイントの構造をFig.13に示す。(3)下面増厚補強法RC床版にFig.1に示すような大きな荷重変動は,伸縮継手から8m付近まで及んでいる。そこで,段差量20mmを許容する場合には2.5倍以上の荷重が常時作用Fig.11 Unevenness of highway bridgeTable4 Determination of degree of damage on unevenness of roadsurfaceDamage classicationJudgment contentsaNo damagebcUnevenness in the direction of the bridge axis has occurred, the amount of step is small(20 mm or less)deUnevenness in the direction of the bridge axis has occurred, the step amount is small(20mm or more)
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