日本大学生産工学部 生産工学部研究報告A51-2
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─ 27 ─が47mmとなる。よって,接地面寸法は300×47mmとなる。また,供試体RC35の設置面には9.0mmの鋼板を設置したことから,輪荷重の軸直角方向辺長Aは300mm,軸方向の辺長Bが56mmとなる。よって,接地面寸法は300×56mmとなる。(1)供試体RC25一定荷重で走行した供試体RC25の等価走行回数はTable2に示すように4.091×106回である。これに対して振動荷重±20%の荷重振幅で走行した供試体RC25-V20-1の等価走行回数は1.615×106回である。一定荷重で疲労実験を行ったRC25の等価走行回数との比は0.395である。次に,供試体RC25-V30-1の等価走行回数は0.564×106回である。供試体RC-25の一定荷重走行実験による等価走行回数との比は0.138である。(2)供試体RC30一定荷重で走行した供試体RC30の等価走行回数はTable2に示すように9.045×106回である。供試体RC25の供試体の2.21倍であり,コンクリートの圧縮強度が5N/mm2増加するだけで2.21倍の等価走行回数が得られた。これに対して振動荷重±20%の荷重振幅で走行した供試体RC30-V20-1の等価走行回数は3.876×106回である。供試体RC30-V20-2の等価走行回数は3.248×106回である。一定荷重で疲労実験を行ったRC30の等価走行回数との比はそれぞれ0.429,0.359である。次に,供試体RC30-V30-1,2の等価走行回数はそれぞれ1.167×106回,0.920×106回であり,供試体RC-30の一定荷重走行実験による等価走行回数との比はそれぞれ0.129,0.102である。(3)供試体RC35供試体RC35の等価走行回数は24.563×106回であり,供試体RC25,RC30のそれぞれ6.00倍と2.72倍である。これは9.0mm厚の鋼板を敷いての疲労実験であることから載荷面積が広くなったことと圧縮強度が高いために等価走行回数が多くなった結果である。また,荷重100kNに対して荷重振幅±20%の振動荷重で疲労実験を行った供試体RC35-V20-1の等価走行回数は6.743×106回であり,一定荷重走行実験による等価走行回数との比は0.275である。また,供試体RC35-V30-1の等価走行回数は2.075×106回であり,等価走行回数比は0.084である。両供試体ともにRC30の供試体の低下率を大きく下回っている。これは,一定荷重走行実験に用いた供試体RC35の圧縮強度は35N/mm2であるのに対し,振動荷重実験に用いた供試体の圧縮強度は33N/mm2であり,コンクリートの圧縮強度の差が等価走行回数に反映された結果である。そこで,供試体RC35のコンクリートの圧縮強度を33N/mm2として押抜きせん断耐荷力を算定し,筆者らが提案するS-N曲線式から等価走行回数を算定すると18.331×106回となり,この等価走行回数と振動荷重±20%,±30%の供試体の等価走行回数との比はそれぞれ0.367,0.113となり,圧縮強度25N/mm2,30N/mm2の供試体の等価走行回数比と近似する結果となる。なお,これらの結果についてはTable2に赤字で表記した。以上より,荷重振幅±20%の振動荷重における疲労実験では,上限荷重時に基準荷重72kNの1.67倍(=120kN/72kN)の荷重が作用することになる。また,荷重振幅±30%の場合には,上限荷重時に基準荷重の1.81倍(=130kN/72kN)の荷重が繰り返し作用することになり,その結果,疲労寿命の低下が著しい結果となった。5.2 RC床版および振動荷重が及ぼすRC床版の破壊メカニズム走行一定荷重による疲労実験および走行振動荷重による疲労実験におけるRC床版供試体RC-35,RC-35-V20,RC-35V30の破壊状況の一例をFig.8に示す。RC床版供試体RC-35の上面の損傷状況は,Fig.8(1)に示すように,等価走行回数24.563×106回におけるひび割れ状況であり,走行面はひび割れが見られるものの貫通ひび割れに起因するひび割れは見られない。下面のひび割れは鉄筋の配置付近に格子状に発生している。輪荷重45度下面にはダウエル効果の影響が及ぶ範囲ではく離が見られる。破壊は輪荷重走行中に床版中央付近で押抜きせん断破壊となった。次に,振動荷重±20%で走行した供試体RC-35-V20の等価走行回数6.743×106回であり,上面の損傷状況は路面の凹凸が著しく,ひび割れも発生しているが,貫通ひび割れに起因するひび割れの発生は見られない。しかし,一定荷重での走行による疲労実験に対して等価走行回数が大幅に減少するとともに,衝撃の影響を受け走行面の損傷も著しい。下面のひび割れ状況も衝撃の影響により損傷が著しい。ダウエル効果の影響を受ける範囲のFig.8 Fracture mode
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