日本大学生産工学部 生産工学部研究報告A51-2
27/38
─ 25 ─ Ki=-0.20L+20.8 i=20/(50+L)ここで,αI;動的影響係数,Kv:荷重変動率(%),Ki:基準荷重振幅,i:道示に規定によるRC床版の衝撃係数,L:支間(m)例えば,基準荷重に対して土30%の変動を持つ変動荷重が作用した場合の衝撃係数がi=0.497となる。これに対して,支間2.5mの床版の衝撃係数を道示I8)に規定に基づいて算定するとi=0.381となり,道示Iに規定する衝撃係数を上回る結果となる。よって,路面の凹凸が20mmを超えると大きな衝撃力となり,伸縮継手付近の床版が早期に損傷する可能性がある。以上より,伸縮継手を通過した付近のRC床版には大型車両の振動荷重が連続的に作用すると同時に,伸縮継手の通過に伴う大きな衝撃力が作用している。よって,振動荷重が及ぼすことによるRC床版の耐疲労性の評価を行う必要がある。2.4 伸縮継手付近の損傷状況実橋における伸縮継手付近の損傷状況をFig.4に示す9)。Fig.4(1)は伸縮継手付近の左側には雨水が滞水すると同時に荷重変動が及ぼす7m付近までは土砂化し,鉄筋の露出も見られる。道路側には20mm以上の段差が見られる。次に,Fig.4(2)は,経間部の伸縮継手付近の損傷であり,この床版下面には鋼板接着補強が施されていたが,鋼板および取り付けボルト等が腐食により陥没に至った床版である。Fig.4 Damaged cases near the expansion joint以上のように伸縮継手前後の床版は伸縮継手の影響により,損傷が著しいことから,伸縮継手の段差によって発生する荷重変動が及ぼす影響についての検証が必要となる。3.供試体の使用材料・寸法3.1 使用材料RC床版供試体のコンクリートには,普通セメントと5mm以下の砕砂および5mm~20mmの砕石を使用した。RC床版の押抜きせん断耐力はコンクリートの圧縮強度の影響を受けることから,本供試体の配合条件を道示に規定されているコンクリートの設計基準強度24N/mm2,30N/mm2および35N/mm2の3種類を目標とした。また,供試体の鉄筋にはSD295A,D13を配置した。ここで,本実験に用いるRC床版記号および圧縮強度,鉄筋の材料特性値をTable1に示す。Table1 Mechanical propertiesSpecimensCompressive strength of concrete(N/mm2)Rebar (SD295A)Use rebarYield strength (N/mm2)Tensile strength(N/mm2)Young's modulus(kN/mm2)RC2525.0D13355498200RC25-V20-125.5D13355498200RC25-V30-125.5D13355498200RC3030.0D13355498200RC30-V20-130.0D13355498200RC30-V20-230.0D13355498200RC30-V30-130.0D13355498200RC30-V30-230.0D13355498200RC3535.0D13355498200RC35-V20-133.0D13355498200RC35-V30-133.0D133554982003.2 供試体寸法および鉄筋の配置RC床版供試体は,1994年改定の道示10)の基準に準拠し,支間2.4mのRC床版に大型車両の1日1方向あたりの計画交通量が2,000台以上として設計した寸法に対して,本輪荷重走行疲労実験の輪荷重幅が道示に規定するT荷重幅の3/5モデルであることから,本供試体の寸法を3/5モデルとした。よって,供試体の寸法はFig.5 Test condition of RC slab
元のページ
../index.html#27