ハイテク・リサーチ・センター(産学連携)研究装置一覧

 

設備名称 設 備 構 成 ・ 定 格 設 備 の 用 途 ・ 特 色 等
先端材料
耐候性試験装置

(1)スーパーキセノンウエザメーター (スガ試験機(株)製)
光源:7.5kw 

照度:48〜200W/m
電源:3φ200V,71A

(2)塩水噴霧試験機 (スガ試験機(株)製)

(3)フィラメントワイディング装置
温度:35±1度 
電源:3φ200V,17A
3軸制御式 最大重量50kg
チャック面間1700mm

(4)回転硬化炉 (旭エンジニアリン(株)製)
電気ヒータ:室温〜170度
昇降温度:1.3度/min(負荷時)
冷却速度2度/min
(雰囲気温度80度以上) 
(1)設置目的
先端材料のカーボン繊維強化プラチック(CFRP)材や金属材料などが紫外線や塩水を屋外環境の中で受けて,経年変化する場合,その劣化機構を明らかにするため,試験片としては板状だけでなく,パイプなどの円筒形状についても耐侯性の加速試験を行い,先端材料の耐候性強度を解明することが目的である。

(2)特色
本装置の中で耐候性試験機はスーパーキセノンウエザメーターと塩水噴霧機からなるが,キセノン方式は従来のカーボンアーク方式よりも,太陽の紫外線,可視光線により近く,太陽よりも3倍強いのエネルギーが放出することが可能なので,加速試験に最適である。また,一度に54枚の試験片が装着可能であり,装置の保守維持も容易である。塩水噴霧機はISO規格に採用されており,48枚の試験片に安定した噴霧が再現可能で,塩水噴霧後の排液・排水を真水に戻す装置も設置され,環境に配慮したシステムである。フィラメントワイディング装置はコンピュータで3軸(マンドレル,トラパース及び軸移動)制御されており,操作性が良く,熟練者でなくても直径100m,長さ1700mmまでのCFRP円筒形が成形でき,加熱回転硬化炉も装備されている。さらに,圧力容器など変断面形状を成形するプログラムソフトも付いている。

(3)用途
CFRP材に対し自然環境と同等な環境を与える装置であるスーパーキセノンウェザメーターを用いて,CFRP材に太陽光の紫外線を与え,さらに周囲を海で囲まれた条件から,紫外線に塩水噴霧を加えた促進暴露を行い,その結果と屋外暴露試験の結果と比較・検討するために本装置を用いる。さらに,先端金属材料などに及ぼす塩害の影響も本装置を用いて解明する。
渦流深傷装置
(1)渦流/RFT探傷装置
周波数範囲:10Hz〜10MHz
増幅感度:0〜40dB (0.1dBステップ)
サンプルレート:最大10000サンプリング/s RFT用プローブユニット
ETハンドプローブ 内挿プローブ
RET内挿プローブ

(2)RFT発生装置
(1)設備目的
物体表面を伝播する弾性表面波や,複数の表面波や打撃した際の反響音(可聴音)による,構造物の表面あるいは内部の非破壊検査手法を確立することを日的とする。

(2)特色
当該研究設備に含まれる漏洩表面波速度測定用スキャナは,高分子圧電膜超音波変換素子を振動センサとして組み込んだ]‐Y‐Z方向の高精度位置決め装置であり,特注品である。音響モニタリングシステムは,リアルタイム分析周波数Max200kHz,FFT分解能6400 lines,デジタルフィルター分解能1/24オクターブ,バッテリー駆動可能などの性能を有し,可搬性,操作性等に優れる。

(3)用途
漏洩表面波速度測定用スキャナは,@ 弾性波を用いた非破壊的残存強度の推定,AAE法による劣化損傷機構の解明,BAE波による経年構造物の安全監視など,音響モニタリングシステムは,@可聴音を用いた劣化損傷箇所の推定,A打音法による経年構造物の自動検査など,様々な用途がある。
音響による
モニタリング装置
(1)漏洩表面波速度測定用スキャナ 4軸移動・回転機構駆動横付
Z軸:ストローク100mm 分解能1μm/パルス
01軸:回転角 90度
  分解能 0.36度/パルス
02軸(スイベル):回転角 ±6度
  分解能 0.00075/パルス
03軸(スイベル):回転角 ±8度
  分解能 0.00075/パルス

(2)音響モニタリングシステム 入力点数:最大32CH
電源:ACまたはDC
リアルタイム分析周波数Max200kHz FFT分解能6400 lines
デジタルフィルター分解能1/24オクターブ
リアルクイムマルチバッファー計測可能
(1)設備目的
物体表面を伝播する弾性表面波や,複数の表面波や打撃した際の反響音(可聴音)による,構造物の表面あるいは内部の非破壊検査手法を確立することを日的とする。

(2)特色
当該研究設備に含まれる漏洩表面波速度測定用スキャナは,高分子圧電膜超音波変換素子を振動センサとして組み込んだ]‐Y‐Z方向の高精度位置決め装置であり,特注品である。音響モニタリングシステムは,リアルタイム分析周波数Max200kHz,FFT分解能6400 lines,デジタルフィルター分解能1/24オクターブ,バッテリー駆動可能などの性能を有し,可搬性,操作性等に優れる。

(3)用途
漏洩表面波速度測定用スキャナは,@ 弾性波を用いた非破壊的残存強度の推定,AAE法による劣化損傷機構の解明,BAE波による経年構造物の安全監視など,音響モニタリングシステムは,@可聴音を用いた劣化損傷箇所の推定,A打音法による経年構造物の自動検査など,様々な用途がある。
先端材料高温
疲労強度試験装置

(1)サーボパルサ(EHF=EG200kN-40L島津製)最大荷重200kN,
最大変位±25m
荷重及び変位制御
恒温試験装置(-160〜300度)及び高温試験装置(300〜1000度)
油圧くさび式定位置つかみ具付き

(2)オートグラフ(AG−250kN島津製)最大荷重250kN
クロスヘッド速度0.0005〜500mm/min
有効試験幅575mm
引張りストローク600mm
恒温試験装置(−180〜320度)及び高温試験装置(1100度)付き

(3)セムサーボパルサー(島津製)最大荷重5kN
最大ピストンストローク10mm(引張り)
5mm(圧縮)
繰り返し速度0.001〜10Hz
制御量は荷重とピストンストローク
最高温度800度
分解能3.5〜5.5nm
設定倍率×15〜×200000
(1)設置目的
本システムは先端材料の室温並びに高温状態での静的強度及び疲労強度を解明することと疲労負荷を受ける先端材料微視的観察を通じて,疲労進展のメカニズムを明らかにすることを目的とする。

(2)特色
本システムは大きく分けて@サーボパルサーAオートグラフBセムサーボ/パルサーの3装置で構成されている。@サーボパルサーは高い剛性と広い試験空間を備えており,実物の形状に近い試験や高温,恒温槽により高温状態での疲労実験が可能である。また,安全装置やコンピュータ制御により,無人実験の実施とデータの採取ができる。さらに,繰り返し数の増加に対して,安定な支持条件確保するためのつかみ装置も配備されている。 Aのオートグラフの特色は,高速のデーターサンプリング,高精度の荷重測定精度の保証,幅広い試験速度の採用で多様な材料の試験に対応,さらに高い剛性と広い試験空間を備えており,実物の形状iこ近い試験や高温,恒温槽により高温状態での各種静的実験を行うことができる。Bのセムサーボの特色は多様な試験モード,広い観察エリア,鮮明なSEM像,正確な荷重検出,コンパクトな加熱機構,負荷時の静止画像観察である。

(3)用途
耐熱金属材料,炭素繊維強化プラスチックやセラミックス複合材料などの先端材料の高温及び常温状態での各種静的強度や疲労強度の解明に本装置は幅広く用いられる。さらに繰り返し負荷を与えながら,先端材料の亀裂の進展や強度劣化を測定し,応力の繰り返し数と強度との関係を解明するためにも使用される。
先端材料
クリ−プ試験装置
クリープ試験機 RT-50型(東伸工業(株)製)
最大負荷容量:5000kg 
荷重精度:500〜5000kgの間±0.5%
試験片形状:ラプチャー用
平行部径6φ×GL30×全長70mm(ラプチャー用)
平行部径10φ×GL50×全長120 mm(クリープ用)
使用温度:300〜850度 max:900度
(1)設置目的
先端材料クリープ試験装置は,先端材料の耐熱強度のもう−つ重要なファクターであるクリープ強度,すなわち先端材料が高温状態で破壊荷重以下の荷重を常時受けた場合の強度を明らかにする。

(2)特色
コンピュータで制御された温度と荷重によって生じる変位もコンピュータで自動的に計測され,無人実験が可能である。全自動温度調節器による高精度の温度分布が得られ,デジタル変位測定器により,高精度のクリープひずみが得られ,実験後のデータ処理や連続表示が可能である。さらに,加熱装置に省エネルギー化を図っている。

(3)用途
高強度軽合金材料,摩擦圧接された材料,溶接継手,さらにCFRPに代表される繊維強化プラスチック複合材料のクリープ特性を明らかにし,各種先端材料のクリープ強度の解明に使用される。
結晶組織解析装置
(1)全自動X線回折装置最大定格出力:2kw 定格電圧20〜60kV 定格電流:2〜50mA
封入管Cu 2θ測角範囲:−60〜158°(ゴニオ半径185mm)
空冷式循環送水装置

(2)多面的測定アタッチメント
あおり15〜120°面内回転:360° 前後移動:10mm

(3)クリスタルカッター
テーブル送り速度:10〜65mm/min
左右移動量:自動220mm
前後移動量:100mm
(1)設置目的
金属材料の強度や伸びなどの機械的性質を始めとする材料特性は,結晶粒組織,合金元素の固溶,化合物の生成などによって大きく変化する。本装置によって,金属材料の結晶方位解析,結晶集合組織測定,化合物の同定,合金元素の固溶量の測定などを行って,高強度材料における強化機構や,材料強度の経年変化に対する組織の影響を解明する。

(2)特色
本X線回折装置は,各種アタッチメントを組み合わせたことで多様な測定に対応可能である。アタッチメントを取り付けるゴニオメータには,縦型と横型との方式があるが極図形測定には非常に測角精度が要求される。構造的に駆動系に無理がかかり横型ゴニオメータが有効である。また,結晶組織の配列方向を調べるためにはサンプルを360°回転させながら,サンプルの傾き(あおり角)を制御できるアタッチメント(極点アタッチメント)が不可欠である。さらに,試料の切断用にクリスタルカッターがある。この装置は,標準で5軸ゴニオメーターが搭載されている。

(3)用途
急冷凝固法やメカニカルアロイング法によって作製した,アルミニウムやマグネシウム合金基高比強度材料の組織を詳細にしらべて,強化機構を解析する。また,アルミニウムおよびマグネシウム合金の摩擦圧接継手と溶接継手のクリープ変形と組織との関係を明らかにする。
鉄筋コンクリ−ト
疲労試験及び測定装置

(1)走行振動試験装置
@鉛直方向 最大荷重;300kN
信号波形;正弦波,三角波, 矩形波
周波数;正弦波0.01〜10Hz,三角波,矩形波0.01〜1Hz
ストローク;±75mm  
A水平方向 台車積載重量;300kN 走行速度;3cm/s〜200cm/s(r=1.0m)
支点問寸法; 軸方向 50〜200cm, 軸直角方向 50〜200cm

(2)動ヤング率測定器 (共鳴振動単一測定)
掃引周波数:500Hz〜20kHz 掃引時間:10,20,30s
測定電圧レベル:3.16,10,31.6,100mV (作図作表)
作図作表ソフト:測定データ,相対動弾性計数 レベル推移特性,対数減衰率とその推移
(1)設置目的
走行荷重による鉄筋コンクリート部材の耐荷力,動的影響および疲労特性の解明を目的とする。

(2)特色
本装置は,大型車両と同様な輪荷重が常時走行,あるいは振動しながら連続走行する状態を再現する実験装置である。とくに,従来の実験装置では再現することができなかった大型車両の走行振動や伸縮継ぎ手の段差により発生する荷重変動が再現でき,動的影響による部材疲労特性を評価できる。また,本装置の性能は,鉛直荷重が最大300kNまで載荷できる。この鉛直荷重載荷装置に幅25cm,直径40cmの車輪を取り付け,一定な荷重での走行実験と,5.0Hzまでの正弦波形での振動荷重による走行実験が可能である。さらに,走行速度は最大支間2.0mを1分間に27往復できる。

(3)用途
走行荷重を受ける部材の応力,ひずみ,たわみを測定して耐荷力,動的影響,疲労特性を解明する。主たる実験には,@静的荷重による曲げ・せん断実験,A移動荷重による曲げ・せん断実験,B一定荷重による走行実験,C変動荷重による走行実験がある。
3次元PDAシステム
(1)3次元送光用光学系 速度次元:2D,3D 焦点距離:160〜2000mm

(2)受光用光学系 検出ユニット形状:540×470×210mm

(3)粒径測定用信号処理器
周波数帯域幅:120kHz〜45MHz (選択可能レンジ6)
最大データレート:170,000 計測/s
到達時間:1μs 搬送時間:0.1μs
(1)設置目的
燃焼場,特に燃料液滴−蒸気−空気混合気場における液滴の粒径および挙動を同時に把握し,内燃機関の燃焼改善に供することを目的とする。

(2)特色
流速および液滴速度の三次元計測と液滴直径計測を同時に,かつ高速に実行でき,非接触計測なので現象に影響を及ぼさない特長を有し,燃料液滴の挙動が現象に大きな影響を及ぼす燃焼解析に適している。測定部が点である弱点はあるが,定置火炎についてはプローブを移動することにより,火炎周辺の流速分布が得られる。また,伝播火炎の揚合はプローブを固定し,測定部を火炎が通過するように設定すれば,火炎面前後の液滴速度三次元成分を一次元分布情報として得られる。

(3)用途
ディーゼル機関,筒内直噴ガソリン機関の燃焼室では,燃料液滴−蒸気−空気混合気場が形成されており,液滴径およびその挙動が燃焼現象に大きな影響を与える。また,従来型ガソリン機関では燃焼室内混合気の濃度および速度分布が影響因子となる。今日の社会的要求に対応すべく,内燃機関の熱効率改善,有害排出物低減を目指して,これらの燃焼現象を基本的な観点から解析する予定である。
簡易乱流
シミュレ−ション装置

(1)3次元プローブ装置
最大レーザ入力:10W 重量:4kg 軸回転:±180°首振り角:45°

(2)流速測定用信号処理器
周波数範囲:−10〜+35MHz(周波数シフト時) 30〜75MHz(周波数シフトなし)
バンド幅:45MHz 精度:0.4%
内部データレート:1,000,000測定/s 以上
チャンネル数:3 計測処理システムプログラム:FLOware

(3)トラバース装置
フォグジェネレータ 消費電力:1000W(煙発生器) 630W (プローブ)
煙最大発生量:約325m/min
予熱時間:5分 (煙発生器) 35s(プローブ)
(1)設置目的
3次元風洞に置かれた模型周辺の3次元流れに対する計測および乱流解析により建築物周辺の複雑流れを評価することを目的とする。

(2)特色
本装置が非接触型の風速計であることから従来から問題視されてきたセンサー自体の影響がなく物体近傍における計測が可能である。模型周りの死角を少なくするためにプローブは首振りの機構が付加されている。光学系の光軸調整にはガイド光が用意されておりガイド光を中心に合わせるだけで調整が容易である。データレートが高く時系列データなど時間分解能が高い。データ計測時以外ではレーザ光が出力させないシャッターが装備されている。

(3)用途
コンピュータシミュレーションのための基準値の設定,建築物周辺の風環境評価,入射流の変動と建築物作用変動風圧との相関特性の評価,乱流境層の3次元構造の解明,開閉式大スパン構造物の室内気流の解明と評価など,これまでの未解明な分野への応用に展開できる。今後,気象学,建築・土木工学,乱流シミュレーンョン分野などとの幅広い研究交流を行っていく予定である。