建築工学科が育成すべき技術者像建築工学科の学習・教育到達目標1 建築工学科の特徴2 カリキュラムの構成Department of Architecture and Architectural Engineering62歴史と文化,科学への深い造詣と教養のうえに,建築の技術,美,デザインの専門知識と力を培い,SDGs,建築生産,マネジメントの視点から新たな社会を創造的に切りひらく建築の専門家を輩出します。これを実現する教育プログラムである建築工学科のカリキュラムは,一般社団法人日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を取得しています。JABEE認定プログラムの卒業生は,JABEE認定基準に基づく建築技術者としての基礎的な能力を身につけていると認められることになります。次の4つのカテゴリー,A〜Jの10項目で構成されています。◆基本的な人間力やものごとのとらえ方,学ぶ姿勢(A,B,C)A.学びつづける力を養い豊かな教養を身につける豊かな教養,歴史や文化,自然科学,社会科学への深い造詣をもち,建築の学びを継続し,建築の専門家としての責任と社会的役割を理解し実践する。B.想像する力と考える力を養う言語能力をみがき,想像する力を高めて,眼前の事象だけではない未だ見ぬ気づきを獲得し,身体的なリアルな感覚を拠り所に,これを解決する力をもつ。C.普遍と固有を意識し多様な視点をもつ地球規模と地域の風土文化,技術,空間,時間など多様な切り口において普遍性と固有性を意識し,問題を多角的にとらえることにより新たなものの見方を獲得する。◆技術,美,デザインの専門知識と基礎力(D,E)D.建築の専門知識と技術を修得する建築の専門知識と技術を身につけ,基礎から先進のテクノロ建築では基礎工学から応用科学(実学)までを幅広く学んでおくことが必要です。建築工学科のカリキュラムは,基礎知識から先端の建築技術までを学習できるように整えています。多くの科目は基礎と応用(例:建築史Ⅰが基礎,建築史Ⅱが応用)の2段構成を基本としており,1年次,2年次でおおよそ一通りの建築の基礎的な専門科目を学びます。3年次以降は1,2年次で修得した基礎知識と建築的素養を土台にスタジオジーまでを使いこなし,技術力,構想力,計画力,デザイン力を磨き,表現する。E.『目を養い手を練れ』を実践しつくる手を鍛える優れた先達を範として,美的感覚を身につけ,つくりだす手と技を鍛え,新たな創造を身体の奥底から引きだすための技能を練り,身につける。◆新たな社会を目指す力(F,G,H)F. SDGsを意識し専門能力を生かして社会を変革する持続可能でよりよい世界を目指す国際目標(SDGs)に向き合い,実社会における課題をあぶりだし,専門能力をもってこれを解決することで,新たな世界を構築する。G.建築の生産としてのあり方を探究し実践するものの在り方とものづくりの在り方(建築の生産)を構想し,秩序を構成する。建築の専門家としての職能を理解し,社会をイノヴァティブに変革してゆく力を養う。H.マネジメント力により新たな価値を創造する事実を正確にとらえ新たなしくみをつくりだす力(マネジメント力)を発揮し,状況を打開し,個人やチームまたプロジェクトに価値を創造する。経営管理という視点も醸成する。◆社会に貢献する専門家としての在り方(I,J)I.専門家との協働により実践的に創造する力を養う異分野の専門家と協働し,高い専門的知見を交わすことにより,問題を実践的,創造的に解決する力を養う。個の力と協働により高いパフォーマンスを発揮する力を養う。J.専門家として人びとと共に社会を切り開く力を培う専門的な知識と技術をもち,多様な考えを理解し相互理解を育む力をもつことで,多くの人びとをサポートしまたそれゆえリードして新たな社会を構築する。演習科目で学びを広げます。スタジオ演習では,各科目多様なテーマから学生毎に学びを選ぶことで建築家マインドを持つ技術者を育成します。卒業研究で学びの仕上げを行い,さらに専門性を高める大学院での学びへとつなげます。なお,卒業時に,一級建築士及び二級建築士の受験資格のほか,技術士補の登録資格が得られます。建築工学科
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