1 機械工学科の教育目標と特徴2 カリキュラムの概要Department of Mechanical Engineering40機械工学は,あらゆる産業の基盤として重要な役割を担い,他分野の学問とも融合して豊かな社会の発展に大きく貢献している学問です。機械工学科のキャッチフレーズは実践力重視のものづくりと乗り物大好き学科です。したがって本学科の使命は,ものづくりのセンスと実践力を養い,産業の基盤を支える機械や乗り物を創造できる人材を社会に供給し続けることです。本学科の特徴を以下に示します。●明るい雰囲気とオープンな科風。●消化不良が少なく,身をもって機械工学を学習できる実習・実験・製図など実技系授業が多いことと,充実した実験実習・研究施設。●達成目標を明確に提示し機械を設計製作し,実践的なものづくりのセンスを養成するプロジェクト演習系授業,いわゆるPBL(Project Based Learning)教育の推進。●各自の興味,未来の目標に合わせて,自動車コース,航空宇宙コース,ロボット・機械創造コースのいずれか一つを選択させ専門化した機械エンジニアの育成を積極的に支援。●四輪自動車,オートバイなどの運転シミュレータ,微小重力実験装置,軽量構造材料製作装置,新材料製作装置,ハイテク接合装置など最新の研究設備を使用する卒業研究。●卒業研究は,従来から行われている機械工学に関する研究開発のテーマに加えて,学生フォーミュラ用マシンなどを実際に設計製作するテーマを設定し多様化している学生の要求への対応。●さらなる学問の追究をめざしている学生への大学院進学の推奨と支援。本学科では,低学年のうちから将来の目標を真剣に考えて,目的意識を持って積極的に勉学に励むことができるカリキュラム(教育プログラム)で教育しています。その特色は,●「講義+演習」の形式で2倍の時間をかけてわかりやすくかつ実践的な授業である基礎力学系4科目(機械力学Ⅰ及び演習,材料力学Ⅰ及び演習,熱力学Ⅰ及び演習,流体力学Ⅰ及び演習)を低学年次に設置●進路目標に沿って,自動車コース,航空宇宙コース,ロボット・機械創造コースのいずれか一つのコースを2年後期開始時に選択●PBL科目(プロジェクト演習,実践ものづくりⅠ・Ⅱ)を3年次に設置などです。1年次は,教養基盤科目の授業がメインとなりますが,それと並行して専門教育科目が設置されています。デザインセンスの養成及び設計の楽しさを体験させることなどを目的とした3次元グラフィックス演習,機械設計の基礎となる機械力学Ⅰ及び演習と材料力学Ⅰ及び演習が受講できます。2年次からは,専門教育科目の授業がメインとなり,機械エンジニアとしての素養を磨き始めます。機械工学の基礎となる学問はすべて共通しています。機械を作る時あるいは利用する時を考えると,種々の機械要素を縦横に取り入れるための機械要素,適切な材料を選択するための機械材料,合理的なエネルギー変換を行うための熱力学Ⅰ及び演習と流体力学Ⅰ及び演習,機械を有効に働かせるための制御工学Ⅰと電気・電子工学などが非常に重要となります。また基礎工学実験,プログラミング演習,基礎製図製作,要素製図製作などの専門的な実技科目も始まります。これらの授業で修得する内容は,どの分野に進んでも必ず必要となる基礎学力であり,これらを身に付けた上で,より専門的な勉強に入っていくことになります。2年第3クォーター開始時にコース配属が行われます。自動車コース,航空宇宙コース,ロボット・機械創造コースのいずれか一つを選択します。3年次には,専門の応用系科目が設置されています。学科共通科目は,材料加工系の機械加工学A・B,機械力学・制御工学系の機械振動工学と人間・機械システム,熱・流体力学系の内燃機関と流体力学Ⅱなど,実際に機械設計する上で重要な授業が受講できます。実技系科目は,コンピュータで機械設計と機構解析が行えるCAD/CAE演習,高度な機械の仕組みを理解する機械工学実験などが設置されています。これらの知識を総合的に活用し,コース別のテーマで機械を設計する授業が後期に設置されています。また,3年次にはゼミナールが用意されており,ここでは1教員が数名の学生を相手に自由に討論しながら機械工学のおもしろさを認識してもらうよう指導します。この授業は4年次の卒業研究と密接に連携していますので,3年次後期開始時には将来の目標をある程度明確にしておく必要があります。さらに本学科の大きな特色であるPBL授業(プロジェクト演習,実践ものづくりⅠ・Ⅱ)も開講します。レギュレーションに沿った企画,機械工学科
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