教養基盤科目について4)横断科目全学共通教育科目・教養基盤科目33「科学基礎実験A,B」では,物理学,化学,生物学の基本的な実験を行うことにより,自然法則の概念を理解するばかりでなく,自然現象の解明に必要な観察力・洞察力を養うとともに基本的技法を修得します。また実験装置の取り扱い方や測定の仕方を学び,データの取り方と整理の仕方,誤差の処理方法及びレポートの作成方法など,実験に必要な基本事項も学んでいきます。さらに,「工学基盤実験A,B」では,「つくる」「調べる」「使う」をコンセプトに実際にものづくりを体感するとともに,原料や実験計画などをチームで考え,課題解決を目指すことで,科学から工学への転換の素地づくりを行います。科学系科学系科目は,数学,物理,化学の有機的なつながりを理解し,工学の多様な分野の学びへスムーズに移行するための確かな基礎力を養うことを目的とします。「基礎科学演習」では,基礎的な計算力を着実に身につけ,物理や化学において数学が具体的にどのように活用されているかを学びます。「物理数学演習」では,現実的な物理現象のモデル化を通じて実践的な数学手法を学び,工学的応用も見据えた問題や自然現象を解析する能力を身につけます。「計算科学基礎」では,数式や自然現象を記述する方程式を数値的に解くために使用される基本的な数値解析アルゴリズムとプログラミング技術を学びながら,数値解析手法の基礎力を身につけます。「データサイエンスの世界」では,Society5.0で活躍する人材を育成するために,その根幹となる情報リテラシーやデータサイエンスに関係する知識・技能,態度,習慣を身につけます。この科目は,日本大学の特性を活かした全学共通の科目として,開講しています。情報系急速に発展する高度情報化社会において情報を活用する能力,すなわち“情報リテラシー”を身につけることは,以前にも増して求められています。特に工学系の学生にとっては,情報リテラシーは“コンピュータリテラシー”の育成と同時に学修することが必須の事柄となっています。情報系科目は,初年次からコンピュータを活用した総合的な情報リテラシーを身につけることを目的に設置されています。1年次の必修科目では,情報とコンピュータに関する知識と活用スキルの基礎力を身につけます。1年次で学習する情報リテラシーの修得は,工学系技術者としての基礎だけでなく,大学生活を送るうえでも必要不可欠となっています。横断科目では,体験や実践を通して,高度な専門分野及び多岐に渡る高度な専門分野に適応できる基盤を担う能力を修得します。特に,“ものづくり科学”の基幹となる工学基礎,先端工学,環境学などに関連する知識をSTEAM的に修得し,積極的に使いこなせる技術を実践的に身につけ,知識基盤社会の一員として技術の進歩に貢献できる技術者を育成することを目指し,1年次に「生産工学とSDGs」,「エンジニアリングスキル」,「工学基盤演習」を設置しています。生産工学とSDGs「経営がわかる技術者(ものづくりの全体を俯瞰することができる技術者)」の育成に向けた科目です。この科目では,国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の多角的な視点から問題を捉え,様々な要素を統合的に活用し,変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の高いVUCAの世界に対応していくためのマネジメント力を養います。特に,各学科の個性的な視点による問題発見と,各学科のMid-techを融合的に活用しながら考え抜く問題解決によって,意味のあるものづくり・新たな価値の創造を体験し,プロジェクトマネジメントに必要な「コミュニケーションスキル」,「管理スキル」,「ビジネススキル」,「問題解決スキル」の向上を目指します。エンジニアリングスキル実社会でみられるであろう「容易に答えることが難しい」複数のテーマを設定し,選択したテーマについて,複数学科にまたがる学生と教員がチームとして共同作業を行うことで一定の解決策を見出すことを目指します。その中で「適応力」を高め,「リーダーシップ力」を育成するとともに,Mid-techの融合を実践し,考え抜く経験を積み,生産工学を体験する科目となっています。また,様々な状況下で問題解決をするためには,基礎的な知識が役に立つという気づきを得ることで,基礎技術や基礎理論への学習の促進につながることも目的としています。工学基盤演習リバースエンジニアリングを取り入れたものづくり教育を実践します。授業では,身近な製品の実物から機器の構造や動作原理を学ぶだけでなく,CADや3Dプリンターを活用した製品改良の過程において,自身のアイデアを取り入れ最適化を図る体験から自主的な「学び」を引き出すとともに考え抜く力を養います。このように一連のものづくり体験を通して,問題解決に必要な基礎技術の修得を目指します。これらの科目は相互に関連付けられており,ユニットプログラムとして学修することで「意味のあるものづくり」に必要な能力を習得できるように設計されています。
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