数理情報工学科/学習の手引R7
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履修モデル:データサイエンス コンピュータやインターネットの発達、センサーの普及に伴い、様々な情報が大量に、そして、瞬時に集められるようになりました。ビッグデータとも呼ばれる大量のデータの中から有用なものを選別し、的確なデータ分析をし、問題発見と問題解決を図っていくことが求められています。 昨今のニュースでは、AI(Artificial Intelligence人工知能)を使って問題解決がなされたといった報道を数多く見聞きします。人工知能と呼ばれる技術自体はいろいろな分野のものを含んでおります。実は、ニュースで扱われている人工知能の大半は、機械学習と呼ばれる人工知能の一分野の技術を使っていることがほとんどであります。機械学習は、データの分析を通じて、有益な定量的・客観的な情報や関連性を導き出す技術です。その機械学習も、もとをただせば、統計学と大いに関連性のある分野であることが分かります。 機械学習に限らず、統計学技術を使って、データを解析する手法全般の分野のことをデータサイエンスと呼ばれております。つまり、世の中の注目を集めている技術こそ、データサイエンスなのです。データサイエンスの分かる技術者は,引く手あまたとなっております.データサイエンティストという職業名も生まれているくらいです。しかしながら、実際には全世界的に技術者の人数も足りておらず、レベルの高い技術者は争奪戦となっております。 数理情報工学科では、データサイエンスに関する講義、演習がすでに設置してあります。また、データサイエンスを用いて研究をしている教員も複数居ります。データサイエンスを勉強し、研究する環境があります。ここで、データサイエンティストを目指す場合の履修すべき科目と科目の狙いについて簡単に説明しましょう。 データサイエンスに必要な三つの素養は、数学、データ解析手法、プログラミングになります。数学は、統計学が主になります。理解を助け、使えるようになるためには、線形代数と微分積分の理解が必須です。データ解析手法としては、人工知能や多変量データ解析、意思決定システムの履修を勧めます。数理計画法は、様々な場面での最適化問題に適用されますので、特に重要です。最後に、プログラミングについてです。実際にデータが与えられたときに、プログラミングにより適した処理を実現できる能力が必要です。また、データを効率的に管理するためのデータベースシステムに関する知識も必須です。 以上の履修モデルに従って、各科目の学ぶ目的を理解したうえで、勉学を進めてください。 主要関連科目:線形代数学、微分積分学I、確率統計解析、線形空間論、数理計画法、データベースシステム、人工知能、多変量データ解析、データサイエンス、機械学習 主な就職先や職業:データサイエンティスト、システムエンジニア、ソフトウエア開発等

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