数理情報工学科/学習の手引R7
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Mathematical Information Engineering 43 るため、「ゼミナール」と「数理情報工学演習」を1年間学びます。「ゼミナール」では、ゼミ生一人一人が画像処理に関する基礎的な書籍を読み、勉強した成果を研究室内で発表します。「数理情報工学演習」では、ゼミ生を数グループに別け、それぞれのグループにおいて画像処理にまつわる課題の実現に向けて議論し、システムを構築する演習を通じて、グループワークの進め方、議論の進め方、ドキュメントのまとめ方など、講義では得られないより実践的な経験をつみます。 過去に行った演習のテーマは以下のとおりです。 (1)見やすい色に変換するWebシステム (2)動画から動いている領域を抽出 <卒業研究> 卒業研究では、「新規性」、「信頼性」、そして「有効性」に富んだ新しい研究テーマに、楽しみながらチャレンジしましょう。その結果として、たくましく社会で活躍できる技術者としての素養を身に着けることができると考えております。 主な卒業研究テーマは以下のとおりです。 (1)色覚バリアフリーシステムの構築 人により、また、加齢や病気により目の見え方が違っています。本研究では、人の目の特性、特に、色の見え方の違いにより生ずる社会的障壁を取り除くための画像処理システムの構築を目指します。 (2)映像コンテンツの内容に基づく処理 現在、映像の撮影、蓄積、送配信が活発になされています。映像の内容を理解し、映像検索に用いるためのデータであるメタデータの抽出や管理法、さらに、映像の内容の理解につながる研究をします。 (3)新しい画像信号処理アルゴリズムの研究 厳しい撮影条件の下で得られた劣化している画像データから、元のきれいな画像を復元する手法を研究します。 「百聞は一見にしかず」という有名な言葉があります。人間は自身の眼で周りの環境を見ることによって、沢山の情報を得ております。時計を見て「今、何時だ」と理解したり、道路の状況を見ながら自転車に乗ったりしています。普段、無意識のうちに私たちが行っている「見る」という動作を、コンピュータに行わせるにはどのようにしたらいいのでしょうか。さらに、コンピュータで「見る」処理をさせると、人間の眼では不可能だった処理が可能になるのでしょうか。 普段、無意識のうちにしている「見る」という動作を工学的に探求する学問が「画像処理」です。目黒研究室では、この「画像処理」に関する研究を進めております。 「画像処理」を実現させる道具として、コンピュータやカメラなどのハードウェアがあります。さらに、撮影した画像のデータに対して、したい処理を実現するためのアルゴリズムを考案し、その動作を実現させるプログラムを組み実行すること、つまりソフトウェア処理も「画像処理」を実現させるための重要な道具であります。人間が無意識のうちに「見る」動作は、「見る」だけで完結しているわけではなく、「見る」ことによって、その物体は何であるのか、どのような環境にいるのか等、「認識・理解」をしています。「認識」するとはどのようなことであるのか、「理解」とは何なのか等、工学の枠を超えた考察も必要です。 工学という殻にとどまらず、我々人間の視覚や心の領域も考慮に入れた、人を対象とした画像処理の実現を目指します。興味とやる気のある諸君と共に、研究をすることを希望いたします。 <ゼミナール> 3年生から研究室にゼミ生として所属し、卒業研究に向けた専門的な知識と、より実践的なソフトウェア開発能力の習得に努め目目黒黒研研究究室室 23号号館館409室室 meguro.mitsuhiko@nihon-u.ac.jp

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