Mathematical Information Engineering 41 当研究室では,実問題を扱ったシミュレーションについて研究しています.実際の装置を覆うような大きな領域で計算をするため,高速化なども必要になります.また,結果を視覚化するためにはCGの技術も必要になります.特に,電気などの目に見えないものの可視化は,それだけで研究価値があると言っても過言ではありません.実際の装置を用意することは大変なので,積極的に共同研究を行っています.外部の研究者や学生との交流も頻繁に行うことができます. <ゼミナール> 研究を行うために必要な基礎能力(考える力,形にする力,コニュニケーション能力)の習得を目指します.そこで,皆さんそれぞれが読み解き,スライドにまとめ,発表者としてゼミを行う輪講形式で実施していきます.以上により,それぞれの卒業研究をスムーズに開始できるような準備期間として位置づけています. ・プログラミング言語の輪講 コンピュータ上で思いを形にするためにはプログラミング能力が必要不可欠です.これは,研究活動においても例外ではありません.そこで,代表的なプログラミング言語としてC言語やPythonを扱った輪講を行い,より深い理解を目指します. ・論文輪講 世の中の動向を調べるために,興味のあるテーマの最新論文を読み解き,内容を紹介してもらいます.ここで重要なことは,細かい話よりも概要を理解することです.「研究とは何か?」を理解してもらうとともに,研究のいろはを学ぶことになります. これまでの皆さんの学生生活(取り組み)を「背景,目的,手段,結果」の枠組みで説明できるようになれば,就職活動でも大いに役立つはずです. <卒業研究> それぞれに割り当てられた研究に従事することになります.ゼミでは,進捗や課題などを発表することで問題解決を図るだけでなく,自身の状況を的確に説明できるプレゼンテーション能力も培うことになります.当研究室の主な卒業研究テーマは以下のとおりです: ・電磁波ビームの電磁界解析 電磁波ビームはレーザーなどとも呼ばれており,すでに幅広い分野で活用されています.近年では渦状の光も存在することが明らかになり,工業利用が期待されています.(静電気である雷が明るく光るように,実は光も電磁波の一種です.)そこで,実用化に向けてシミュレーションを用いた現象解明を行っています.核融合周辺の実問題を扱うことも想定しています. ・機械学習を用いた物理現象の解析 コンピュータで現象を再現するときには,支配的な法則を簡略化したモデルで表現して計算します.このとき,大部分の現象は既存のモデルで表現できますが,量子力学などで扱われる特殊な環境では適切な法則がわからないため,モデル化ができません.そのようなときに有効なのが機械学習などを用いたモデル化(サロゲートモデル)です.現象論的理解から物理現象の解明に貢献していきます. ・見えないものの可視化 「百聞は一見に如かず」という言葉の通り,視覚的に捉えることは現象を理解する上で非常に有効な手段です.また,より現実に近づけるためにAR/VRなどを用いた可視化にも取り組んでいます. 他にも,何か興味のあるテーマがあれば気軽に相談してください.指導できる範囲であれば,ぜひ取り組んでもらいたいと思います. 藤藤田田研研究究室室 23号号館館 401室室 fujita.yoshihisa@nihon-u.ac.jp
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