当研究室では,工学的な重要課題を数理とコンピュータを用いて解決する,数理工学について研究しています.数理工学は対象にこだわらず,幅広く研究テーマを設定できることが特徴です.基礎的な研究から応用的な研究まで,解析するためのプログラムを作成し,シミュレーションやデータサイエンスを駆使して研究を行っています. 最近は,超音速で伝播する衝撃波の構造シミュレーションを通してこれまで説明できなかった現象を解明したり,機械学習を用いて材料配合を最適化し新材料を発見するという研究を行っています.近年のコンピュータやAIの発展にともなって重要性を増している分野となっていて,国内,海外を問わず.大学や企業の方々との共同研究を実施しています. <ゼミナール> 卒業研究を進めるための準備として,必要な基礎を身に着けてもらうためのゼミ活動を行います.文献を読んだりプログラムを作成し,内容をスライドやレジュメにまとめて発表を行う輪講形式で実施していきます.この経験を通して研究で必要な基礎知識を習得しつつ,発表方法や議論の方法も学んでもらうことを目標とします. 文文献献のの輪輪講講 定評のある教科書を読み,分担しながら理解した内容を発表してもらいます.そして発表内容をもとに全員で議論します.仕上げとしてそれぞれの興味のあるテーマの論文を輪講し,卒業研究のテーマ選びにつなげていきます. ププロロググララミミンンググ演演習習 研究を行うためにプログラミング能力も必要となるので,Python,Mathematicaなどを用いた演習も行います.文献の輪講で扱う題材の理解を深めるためのプログラムを作成し,内容とともにプログラミング方法も学んでいきます. <卒業研究> ゼミナールでの活動を通して皆さんの興味や適性を把握し,それぞれに合ったテーマを設定して卒業研究を進めます.研究では,これまでの既存の知識の勉強とは異なる能力が必要です.卒業研究は、何か新しい問題を解決する必要が出てきた際に,どうすれば解決できるかを実践的に学ぶ場です.卒業研究を通して身に着けてほしいと考えているのは以下のものです. 分かりやすい資料を作成したり,説得力のあるプレゼンテーションを行う能力が卒業後には必須となります.ゼミでの発表を通してこのような能力も身に着けます. 誰も答えを知らないことを研究するため,すぐ答えが分からないのが普通です.関連する方々と議論を重ねて研究を進めることになります.このような方法論も学びます. 当研究室の主なテーマ例を以下に示します.これ以外でも,皆さんが興味を持てるテーマがあれば,指導できる範囲でそれらも研究テーマに採用したいと考えています. 基基礎礎的的なな研研究究::衝衝撃撃波波ななどどのの強強いい非非平平衡衡現現象象のの数数理理工工学学シシミミュュレレーーシショョンン 宇宙ロケットまわりの流れやマイクロナノ流れの解析で重要となる,代表的な長さに対して急激な変化をする流れ現象をシミュレーションしています.「拡張された熱力学」と呼ばれる新しい理論を用いるのが特徴で,衝撃波に代表される波動現象の性質解明を目指しています. 応応用用的的なな研研究究::企企業業ななどどがが持持つつ実実験験デデーータタへへののデデーータタササイイエエンンスス手手法法のの応応用用 企業ニーズが高い工学的に重要なデータの提供を受け,共同研究という形で解析を展開しています.高分子材料の疲労寿命の予測をしたり,より使いやすい接着剤の配合を提案したりすることが例として挙げられます.数理工学は対象を選ばないので,食品の品質向上なども研究対象となります. Mathematical Information Engineering 37 谷谷口口研研究究室室 23号号館館 509室室 taniguchi.shigeru@nihon-u.ac.jp
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