数理情報工学科/学習の手引R7
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当研究室は構造物,機械,防音材の振動及び音響解析のための数理モデル化と解析手法に関する研究を行います。 機械・機器・構造物などが,高速化,高性能化,軽量化されるにつれて振動・騒音問題が複雑になり,その振動は機械自身の性能を劣化させるだけでなく,機械の安全性を損なうこともあります。これを設計段階で早期に対策することができれば,安全性を確保するだけでなく,コスト削減につなげることができます。これを実現するため,対象物の数理モデルを構築し,その動的時の挙動を正しく予測する必要があります。 また近年では高性能で安価なPCやOSが普及し,様々な解析ソフトウェアが簡便に利用できるようになりました。解析ソフトウェアは様々な製品の設計・開発を行うため重要なツールとして用いられます。また最近の解析ソフトはユーザーフレンドリーで,解析した結果も分かりやすいグラフィクスで表示されます。しかし,こういったソフトウェアの中で行っている計算の原理,手順を理解しないで,いわゆるブラックボックスとして扱うと大変危険です。材料特性や境界条件の設定ミスで,一見,何となくそれっぽい結果を導き出すことができても,実験と比較してみると全く違った結果になっていることがあります。従って,ソフトウェアで行っている中身についてもしっかり理解する必要があるのです。 またこうした対象物のモデル化や,解析結果の妥当性を検証する上で,重要となってくるのが「実験」です。対象物の物理的挙動をきちんと把握するだけでなく,自分たちが解析した結果が本当に正しいのか判断することができます。 従って当研究室では,こうした対象物のモデル化と,解析ソフトの中で行っている計算を理解し扱うことができるCAE(Computer Aided Engineering)技術者36 Mathematical Information Engineering を育成したいと考えております。 <ゼミナール> 前期は,音響の基礎,音響解析手法の勉強,そして自動車を対象とした音響解析を行います。後期は,振動学,振動解析手法の勉強,構造物模型の振動解析及び実験を行います。また当研究室はプログラミング言語としてMATALBを用いて数値解析を行い,データの整理はExcelを使います。そしてこれらの結果をPowerPointにより発表してもらいます。 <卒業研究> 卒業研究は,ゼミナールで学んだことを発展させ,下記のテーマの通りです。 の音響解析 響特性予測 体伝播音解析 卒業研究のテーマが決まった後は,テーマが近い人同士で,基礎の勉強,関連論文の輪読,研究打ち合わせを週1回行います。 また,「さらに研究を突き詰めたい」,「自分の能力を伸ばしたい」と考えている人がいれば,大学院の進学をお薦めします。専門知識を深め,研究を進めて学会等で発表することで,大企業に就職するためのアピールの場にもなります。  ハイブリッドSEA法を用いた自動車 Biot理論を用いた自動車用防音材の音 非接触電磁加振器を用いたパネルの固 べき関数型等価線形系解析手法を用いた免震積層ゴムの非線形振動解析  すべり摩擦型免震の振動解析  橋梁壁面の長期モニタリング研究  筋電計による筋疲労に関する研究 髙髙橋橋研研究究室室 23号号館館505室室 takahashi.ayumi@nihon-u.ac.jp

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