<ゼミナール> 当研究室では,やる気さえあれば誰でも歓迎します.ゼミナールでは,冗長設計や信頼性評価尺度など,ディペンダブルコンピューティングの基礎的な技術について勉強します.また,対象システムであるコンピュータやネットワークについて学びます.日本語/英語の教科書や論文の輪講と,パワーポイントによる担当者の発表が中心です.さらに,プロセッサ回路の試作,モンテカルロシミュレーションの演習を行います.これらを通して,読解力,英語力,発表力を高め,卒業研究への足がかりにします. <卒業研究> 卒業研究では,主に下記のテーマから選択してもらいます. ・ディペンダブルネットワークシステム ・コンピュータシステムの故障検出・回復法に関する研究 ・半導体デバイスのテスト高精度化に 関する研究 ・情報通信とエネルギーを融合した基盤技術に関する研究 その他,自分の興味のある対象分野に対して,ディペンダブルコンピューティング技術の適用を考えていくこともテーマになり得ます. 具体的な研究テーマを定め,主体的に研究を進めてもらいます.問題を明らかにし,問題の解決方法を探究する能力を伸ばすことを目標とします.これは,企業への就職,大学院の進学のどちらにとっても大切な能力であると考えます. 当研究室では,コンピュータシステムやネットワークシステムの高信頼化(ディペンダブルコンピューティング)に関する研究を行っています.近年,コンピュータシステムやネットワークシステムは我々の生活の中でより重要性を増しており,障害が発生すると社会に大きな影響を与えるようになってきました.しかし,これらのシステムは大規模化,複雑化しており,設計不良,製造不良,経年劣化や悪意のある攻撃による誤動作を完全に防ぐことは困難です.我々の研究目的は,一部の要素に誤動作が発生したとしても,全体として正しくサービスを提供可能なシステムを構築することです. 対象となるシステムは様々で,例えば最近の研究では下記のとおりです. ・リアルタイムデータ通信システム (車載用ネットワーク等) ・分散システム(計算機グリッド) ・広域分散システム(P2P等) ・劣悪な環境下で動作するコンピュータ (高電磁ノイズ,宇宙環境) また,故障したシステムを早期に検出・排除するための仕組みとして,半導体デバイスやコンピュータシステムの製造テスト,オンライン自己診断に関する研究も行っています. 研究の進め方としては,まず,対象となるシステムとその故障,障害の影響について調査し,問題を解決する手法について検討します.提案手法の有効性を,計算機シミュレーション,数値計算,理論解析などにより評価します.ハードウェアやソフトウェアを実際に作成し,実機評価を行う場合もあります.このような研究成果を学会,論文誌で発表していきます. Mathematical Information Engineering 30 新新井井研研究究室室 23号号館館406室室 aria.masayuki@nihon-u.ac.jp
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