数理情報工学科/学習の手引R7
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これからの専門に対する基礎となるので、1年次に体得した学修法をさらに強固なものにして勉学に励んでください。どの教科も重要なものなのですが、3年次にもなって「プログラムを組むのが苦手です」なんてことにならないように、特に基礎的な講義・演習の教科をしっかり理解してください。2年次で行われる基礎的な教科の内容を理解した上でないと、3年次以降の教科を理解することが大変に困難になります。講義のわからない箇所は友達と議論したり、図書館等の参考書を調べたり、信頼のおけるインターネットのページを閲覧するなどして、理解する努力を重ねてください。 3年になって直ぐのガイダンス期間中に、ゼミナールを受け入れる研究室の紹介があります。この機会にしっかりと、数理情報工学科にどのような研究室があるのか、そして、そこで行われている研究テーマに何があるかを理解してください。説明会の後、研究室の公開がありますので、興味のある研究室へ訪問し、皆さんが興味のある研究やゼミナールの指導が受けられるのか、研究室の雰囲気はどうなのか、教員の指導方針はどうなのか等、この機会に確認してください。大部分の学生は、卒業研究も含めると2年間、同じ研究室に所属します。自分の肌に合う研究室なのか否かを見極めることは非常に重要です。 ゼミナールに参加するには、「このようなことがしたい。**になりたい。」といった、自分の希望を定める必要があります。ゼミナールは、「やりたいこと、なりたいこと」を実現するためのスタートとなる学修形態です。あるテーマに対して、自ら調べ、読み書き、さらにその成果を皆の前で話し理解させ、コメントに対して誠意ある応対をするという、知的作業の基礎的訓練をする場です。さらに、グループで話し合いながらシステム作成の作業をし、それをドキュメントにまとめるという、エンジニアとしての基礎的訓練もゼミナールのメンバーと一緒に行います。 3年次の夏には、生産実習、いわゆるインターンシップを行います。これは、夏休みの2週間または4週間の期間を、官公庁や会社に出向き、仕事の手伝いや与えられた課題への指導を受けるものです。社会人として働くという事の意味を痛感してください。さらに、生産実習の経験を通じて、自分に足りないことは何かないか、と見つめなおしてください。3年次は、ゼミナール、専門科目、生産実習を通して、卒業研究として何がやりたいのか、どのような社会人になりたいのかを自問する大切な時です。特にゼミナールに合格するということは、卒業研究に着手するための学力を保証できたということを意味します。 4年次は、卒業研究を行い卒業論文としてまとめる、大学生活の総決算の時期になります。さらに、就職活動や大学院への進学準備を行う時期でもあります。研究とは、3年次までに勉強した講義・演習のように、結論がわかりきっている決められた内容の学問を理解し、自分の物とすることではありません。研究とは、何か新しいことが知見として得られるか、または、新しい考え方を導くことができるかを探求する事です。つまり、誰も踏んだことのない新雪の上を歩くようなものです。新しいことを行うことは、うまくいかないことも、苦しいこともあるでしょう。しかしながら、努力によって研究の成果を導き出すことができれば、感動を覚えますし、なんと言っても自分に対する大きな自信が芽生えます。 何が問題なのかを探る問題発見力、解くべき問題をどのように解くのかを見つける問題解決力、そして、問題を解決するために実際に行動する実行力の3つの力を身につけられるように、とことん自分の限界に挑戦してみよう。限界まで自分を痛めつけて追い詰めてみなければ、たくましい成長は見込めません。そのような中でも、卒業研究自体を楽しむように心がけましょう。 Mathematical Information Engineering 25 3年次 4年次

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