皆さんが今まで通っていた大部分の中学・高校では、何年何組というように「クラス」に所属していたと思います。クラスに所属することで、学校にも自分の居場所があるのだといった安堵感がありました。しかしながら、研究室にゼミ生として所属する3年次生になるまで、大学には決まった居場所がありません。でも、自分で探すことによって居場所は見つかるのです。皆さんに探してもらいたい「居場所」とは、スペース・空間としての場所を言っているのではなく、自分が何をしたいのか、そして、自分の望む道に向かうために、今どうすべきか、それはどこでできるのか、という「心の居場所」を大学で探して欲しいという意味です。 大学は、勉強をする場、友人を作る場であると共に、4年間もの時間を自分のためにたっぷり使える自分を見つめ直す場でもあります。入学したばかりの皆さんは、大学に入っていろいろと戸惑うことがあるかと思います。でも、それは、誰にでもあることなのです。戸惑いを素直に受け入れ、戸惑いを払拭するには、受身ではなく、積極的に行動をとる方法しか解決法はありません。 では、受身の姿勢ではいけない例として、勉強の仕方について述べます。大学の講義を理解することは、はっきりいって「簡単ではない」と断言します。事前学修も事後学修もしないで、ただ単に、講義の教室で一度だけ話を聞いて、理解できるほど生易しい内容は無いはずです。高校までの授業の進め方と違い、内容の難しさと進み方のスピードが速く、さらに、一コマ100分という講義の長さです。①集中して教員の話を聞く、②きちんとノートをとる、③教科書のみならず、その他関係する書籍を図書館で閲覧し自分で調べる、などを心がけてください。それでもわからない場合は、24 Mathematical Information Engineering 身近にいる友達に教えてもらうのです。是非、お互いに得意の教科を教えあってください。ギブアンドテークの関係を作ることは、教えあう関係を持続する秘訣ですし、得意の分野の講義を友人に教えられる様に理解しようとするモチベーションにもなります。 それでもよく理解できなかった教科には、 「本の内容を調べ友達と議論し、このように考えたのですが、先生の御意見をお聞かせ下さい」とか、「どの様な書物を読んだら良いのか教えて下さい」というように、思考した経過を示した上で、担当教員に質問に行きましょう。このように、自分のこれまで払った努力の跡を示してくれるならば、教員は喜んでとことんつき合って教えてくれるはずです。ここに、教員との触れ合いが生まれます。小学生のように「先生これ分かりません、教えて下さい」では、学生と教員との学問を通じたふれあいは生まれません。 1年次では、教養科目、基盤科目および専門の基礎科目の受講と単位修得が主眼です。熱意ある多くの諸君は、早く多くの専門科目を勉強したいと渇望していることでしょう。しかしながら、大学は専門科目だけを勉強する場所ではないのです。自分自身を見つめなおす契機として、リベラルアーツと呼ばれる教養科目の勉強に励んでください。勉強と並んで、クラブやサークル活動に参加することも大いに推奨しています。同級生といった横のつながりだけではなく、先輩後輩といった縦のつながりを学ぶことや知り合うことも一生の珠玉の財産となります。 津田沼キャンパスに移るころになると大学での生活にも慣れが生じ始めます。しかしながら、ここで油断をしてはいけません。いよいよ待ちに待った専門科目の講義が多くなります。1年次の専門科目と合わせて 1年次 2年次
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