34 Department of Conceptual Design 助助教教 山山口口やまぐち穂穂高高ほだか研研究究室室 40号号館館 605 室室 Tel:047-474-9685 当研究室では「自然素材×感性工学」の研究活動を通してサステナブルなモノづくりの実現を目指します。 ●自然素材? 自然素材は地球に還る循環可能な材料です。当研究室では主に木材を対象とします。木材はひとつとして同じ意匠や物性を持たない大変ユニークで扱いが難しい材料です。 ●感性工学? 人の心に寄り添った製品やサービスを生み出すための学問分野です。心理計測、生理計測、物性測定を組み合わせて、人々の共感を生むモノづくりを探求します。 ●サステナブル? サステナブルなモノづくりの実現のためには、地球環境にやさしいこと(=自然素材)と、人々のwell-being(=感性工学)の両方が必要です。環境に配慮しなければ我々の住む場所がなくなってしまいますが、ヒトにとって魅力的なモノづくりの仕組みがなければ経済的に成り立ちません。 ●研究の4つの視点 当研究室では4つの視点から「自然素材×感性工学」の研究を進めます。 一つ目は、材料の適材適所を「見定める」視点です。木材等の循環可能な材料の物理的・感性的な特性を評価します。二つ目は素材の形をできるだけ長く「保つ」視点です。材料を再利用する以前に、廃棄に至るまでの時間をできるだけ長くすることを目指します。三つ目は素材を「回す」視点です。自然素材を実製品に利用する際の具体的な課題を解決します。最後は素材の特徴を「伝える」視点です。素材ならではの魅力を正しく伝え、生産者と消費者の共感を生む手法を研究します。 ●修得が期待できるスキル 当研究室の活動で下記のスキルの修得が期待できます。心理計測、生理計測、画像解析、統計処理、製品評価、AI、3Dスキャン、リバースエンジニアリング、プレゼンテーション、等。 ●卒業までに目指す姿 卒業研究で取り組んだことを堂々と語れるようになって卒業してほしいと願います。そのために、研究ニーズの発掘作業、自身が取り組む理由の明確化、成果物の積極的なアウトプットを重点的に支援します。 <ゼミナール> 製品デザインにおける素材および完成品を工学的に評価する力を養います。前期は木材を題材に、素材の見た目や手触り感を評価する実習を行います。後期は椅子を題材に、物理的性能と使用感を評価する実習を行います。前期後期ともに、得られた結果のアウトプットをゴールとします。 <卒業研究> 4つの視点に沿ったテーマに取り組みます。以下はテーマ例ですが、興味のある課題の提案も歓迎します。 [見定める]様々な木目模様の印象評価 [保つ] 木製品への愛着感の解明 [回す] 木製家具の設計指針の導出 [伝える]木材ならではの魅力の伝達 博士(工学)/岐阜県下呂市出身/信州大学繊維学部感性工学科卒(2010)/同大学大学院にて修士課程、博士課程を修了(2015)/岐阜県生活技術研究所(2015-2025)/地方公務員として10年間、木製品や感性工学に関する試験研究業務に従事/G検定 2024#6
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