32 Department of Conceptual Design 以上のテーマはいずれも、ユーザーの思考や行動の特性、ユーザーを取り巻く環境や文脈を調査・計測し、それをシステムやサービスのデザインにつなげていくことを特徴としています。研究にはいろんなスタイルがありますが、まずはやってみることでテーマへの理解度や解像度を上げ、さらに試行することで新たな仮説や気づきを得る、皆さんには本研究室でそんな研究の楽しさを味わっていただければと思います。 <ゼミナール> ゼミナールでは、サービスデザインやUXデザインのための代表的な手法やプロセスについて実践しながら学びます。前期は、デザイン思考やUXデザイン、人間中心設計のプロセスを具体的な題材で実践します。後期は、ユーザー視点でシステムやサービスをデザインするためのユーザー調査や測定、評価手法等を学びます。 <卒業研究> ユーザー視点でのサービスやUXのデザインとそのための方法やツールの開発、参加型デザインやリビングラボ等の新たなデザインプロセスの実践等がテーマになります。また、ユーザーの思考や行動を変容するUIやインタラクション、高度なシステムと人とが協業できるUIやインタラクションのデザイン等もテーマになります。(レジリエンス能力)を引き出すことでより高い作業パフォーマンスを実現するためのUIやインタラクションのデザインが研究テーマになります。また、高度に発達した予測技術や自動化機能を備えたシステムとユーザーとが共生・協業するためのUIやインタラクションのデザイン等も研究テーマになります。 吉田研究室は、サービスやUX(ユーザー体験)、UI(ユーザーインタフェース)のデザインをテーマにした研究室です。システムやサービスの利用者であるユーザーにとって価値のある魅力的なデザインとは何か、それはどのようにすれば実現できるのか、という問いに、実践的アプローチと、人間工学、認知システム工学、デザイン工学等のアプローチとを融合し取り組んでいきます。 サービスデザインやUXデザインの領域では従来のデザイン方法に代わる新たな方法が注目されてきています。これまでのものづくりは、企業や組織等の提供者側が設計開発し、リリース後にユーザーが利用するという形態が一般的でした。しかし最近では、例えば、ユーザーが企画・設計などの初期段階から能動的にデザインの過程に参加する「参加型デザイン」や、実験室ではなく実際に使われる環境でユーザーと一緒にシステムやサービスを運用しながら実現可能性や継続性を検証する「リビングラボ」等の新しい方法が実践され始めています。これらは、社会の構造が複雑化しユーザーの課題や価値観が多様化する中で、彼らの課題・ニーズに合うサービスをデザインするアプローチとして期待されています。サービスやUXといった目に見えない無形のものをどのような方法でデザインするのか、どのようにユーザーと共創し実践するのか、といったプロセス・方法のデザインと、サービスやUXそのもののデザインの両方が研究テーマになります。 UIデザインやインタラクションデザインの領域では、魅力的なサービスやUXの実現に加え、ユーザーの思考や行動を変化させるためのインタフェースやインタラクション(人とシステムとの情報のやりとり)のデザインに取り組みます。例えば航空管制や航空機操縦等、システムを使って複雑で難しい作業しているユーザーから、臨機応変性や柔軟性といった人間が持つ高い能力よしだはるか専専任任講講師師 吉吉田田 悠悠 研研究究室室 40号号館館607室室 Tel: 047-474-2325
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