創生デザイン学科/学習の手引R7
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Department of Conceptual Design 31 なかがわ専専任任講講師師 中中川川かずと一一人人身の回りの製品は、品質や機能面の性能を向上させるだけではなく、素材調達、生産から廃棄までのライフサイクルを通じた環境負荷を考慮し、デザインおよび製作を行う必要があります。特に材料に関しては、リサイクル製が高い、廃棄が容易であるなど環境負荷が小さいことが求められます。 しかし、一般的な材料はリサイクルを行うたびに強度低下や品質低下が見られます。 そこで、品質低下が少ないリサイクル技術およびリサイクル性の高い素材の開発が必要となります。 また、プラスチックなど廃棄が困難な材料の代わりとして、容易に入手できる木材や竹などを新しい加工技術によりプラスチックなどの代替品としての利用を考えます。 金属材料のリサイクル技術 金属材料のリサイクルは昔から行われており、省エネルギーおよび資源有効活用の点から極めて重要です。リサイクルした金属の品質を向上し、その利用範囲を大きく増やそうというのが研究課題です。固・液分離や固・固分離技術を利用し、低品位のリサイクル金属を高品位にするための技術を考えます。 木材の利用拡大 現在、日本の約70%は森林であり、木材が健全に育成するためには、適度な間伐が必要であり間伐材の有効利用が検討されています。そこで、高温処理たとえば、180℃、24時間の処理により圧縮変形は永久に固定することができ、任意の形状の製品を得ることができ、利用拡大に繋がります。また、水分の存在下での熱処理すなわち高温高圧水蒸気処理は、熱処理と同じ温度でなされた場合は強度低下も少なく10分程度の短い時間で固定することができ、プラスチックの代替材料として木材の利用が期待されます。 竹の利用 竹は身近な材料であり、昔から様々な製品に利用されてきました。また、近年は軽量・高強度であることから工業製品への利用拡大が期待されています。しかしながら、工業用材料として要求される要素としては、「機械的特性」、「信頼性」が非常に重要なポイントになります。そこで、竹の機械的特性を調べると共に、「品質」、そして「管理のしやすさ」も検討します。 <ゼミナール> 3Dデータを使ったものづくりの利用が増えていますが、現在のところ、2次元(2D)図面を使ったものづくりが主流です。しかし、生産リードタイムの短縮化、少量多品種生産、品質向上、コスト削減など多くの面で有用な3Dデータを活用することは重要であることが予想されます。 ゼミナールでは、3DCADおよび3Dスキャンにより作成した3Dデータをもとに試作品の作製を行います。 <卒業研究> 卒業研究ではものづくりに重要な材料・加工法研究を行います。 研究テーマの例として ・ カーボンナノチューブを用いたAl基複合材料の開発 ・ 竹のグラファイト化およびミクロフィブリル化 ・ 3Dデジタルワークフローを最適化 研研究究室室 40号号館館608室室 Tel:047-474-9095

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