30 Department of Conceptual Design 専専任任講講師師 木木下下きのした哲哲人人てつひと研研究究室室 40号号館館505室室 Tel:047-474-2479 私は藝術の大学を卒業した後、沖縄県立芸術大学で彫刻、専門学校でジュエリー制作も教えていました。主に金属を使用し様々な物を制作しています。 2011年 個展「GERMINATION」 ひとえに金属といっても様々な金属があります。これまで芸術作品だけではなく、机、いす、店舗の什器や看板、個人邸の門扉などの鉄で作られた工業製品をデザインし、制作してきました。 2010年 Iron table 私の専門は鍛金といいます。鍛金と聞いてピンとくる学生は少ないと思います。鍛金とは伝統的な金属加工方法の一つです。金鎚で様々な金属を叩き、形をつくる技法です。鍛金の技法で良く知られている作品として、自由の女神があげられます。鎚起ともいいますが、自由の女神は薄い銅板を叩き出して制作されています。よって作品が大きくても非常に軽量なのです。分割してフランスから船で持ってくるのが容易だったのです。鋳物の作品なら重いですし、分割が困難なのでこうはいきません。では分割が容易で軽量な木製ならばどうでしょう。海辺に置かれる作品なので木はすぐに腐食します。銅板が使われているのにも、鍛金技法で制作されているのにも意味があります。このように、技法と素材と用途、加えて制作後の物が置かれる気候に至るまでがデザインに多大な影響を与えます。手を動かしてデザイン→制作し、手から得た感覚を、発想に還元できる人材を育てていきたいです。 <ゼミナール> ジュエリー、鍛造、木材加工や溶接技術の習得、それを応用した家具制作等を行うものづくりのゼミです。様々な施設で子供たちを対象としたワークショップ等も行います。企業と共同研究を行い、商品開発も行っています。また身体とジュエリーの関係や、身につけるもののデザイン・制作なども研究、実作を試みます。 <卒業研究> 鍛造による金属のデザイン、家具デザイン、空間デザイン、装身具デザインの他に、日本で独自の発展をしているワークショップや欧米に遅れているリサイクルアートなど、工学的なものづくりの視点から、幅の広い意味でのデザインやアートを研究として試みてほしいです。又、結果だけではなく、発想の原点や制作のプロセス、制作することによる感覚の変化なども研究の対象にしていきたいです。
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