創生デザイン学科/学習の手引R7
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Department of Conceptual Design 27 「〈調和〉をデザインする」 遠田研究室が考えていることは,一言でいうとこの言葉で言い表せます.もう少しわかりやすく言い換えると,〈調和〉によって課題解決をめざします.「デザイン」が課題解決のことを意味するのだとすると,解決のための方法を,〈調和〉という観点から考えて選択しようということです. ひとが〈調和〉を感じるとき,あるいはひとと〈調和〉がとれた環境というものには,何か共通点があるはずです.その共通点が何なのかということが問題ですが,私たちはそれを自然界にある法則との一体性にあるのではないかと考えています. では自然との一体性を得るためにはどうすればいいのでしょうか?これについては,まだ本当に研究段階で,むしろ勉強段階といってもいいかもしれません. 自然現象によくみられる法則というものは,おそらく私たち自身の生活や暮らし方にもきっと影響しているはずです.それらとの一体性がよくとれているときとそうでないときとで,私たち自身のさまざまな反応が違うのではないかと考えられます.仮に一体性がよくとれているときのことを〈調和〉があるといえるのだとしたら,法則からのズレとひとの反応との関係から,〈調和〉の程度を測ることができるのではないかと考えています. このような関係が明らかになったとき,はじめて〈調和〉をデザインすることができるようになるのではないでしょうか. 研究として客観的であるために,数学的な方法に頼る場面ももちろんありますが,もっとシンプルで簡単に〈調和〉が得られる方法もあるのではないかと考えています.その方法を代表する言葉が〈一石n鳥〉,〈天地人馬一体〉です. ひとつのことが何かひとつやふたつのことと関連しているだけではなく,三つとか四つのことと関連付いていることで互いに意味の重層化が起こり,関係性を強化するだけでなく,全体がより豊かなものになるのではないかと思います. 冒頭に掲載した写真は,〈調和〉によるデザインとして,私たち自身が考えた住宅そのものです.言うなれば,〈一石n鳥〉と〈天地人馬一体〉を具現化したものです. ですが,私たちが本当に考えてゆきたいのは,単なるカタチとしての住宅ではなく,人間自身のあり方そのものといえます. <ゼミナール> 〈一石n鳥〉と〈天地人馬一体〉,〈つくるとはかる〉をテーマとして、ものづくりからデザイン評価までの方法を学修します. <卒業研究> これまで学修したことを元に,各自で設定した研究テーマに沿って実施されます. http://entalab.org/えんた准准教教授授 遠遠田田あつし敦敦研研究究室室 40号号館館604室室 Tel:047-474-9082

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